トワイライトタイムからいよいよ夜景の時間へ
高御座山の山頂には神社があり、一番高いところは巨大な岩になっています。その岩の上に登ると、南東側にきらびやかな光の帯が広がっていました。
同じ場所から南西側に目をやると、まだ残照が雲を照らし、それが海に映って神秘的な眺め。街灯りも少しずつ増えてきました。暗くなる寸前のこの時間帯に山頂にいることができるのって、ホントに贅沢だと思います。手軽にそんなことができる山なんて、そうそうない。
ちょうどこの日は満月で、山頂からお月見をしたかったのですが……。分厚い雲が東の空を覆っていて、時折月影が覗くものの、まあるいお月さまには出会えませんでした。残念!
山頂から成井登山口までは30分程度。山頂から電話でタクシーをお願いしておくと、ちょうど登山口に着いた頃にお迎えが来る算段だったのですが、この日は数社に電話をしても、みんな「今、全車出払ってます!」という残念なお答え。駅まで歩いたこともあるのですが、1時間以上かかるので、なんとか乗り物を利用したい。でも、いないものはどうしようもない。下山してからまた電話をかけてみるも、結果は同じ。
ガックリしながら歩きはじめて、「ふと振り返ったら空車のタクシーが来るとか、そんな超絶ラッキーなことなんてあるわけないよね」って冗談を言いながら振り返るポーズをしてみたら……。
え? まさか!? その、まさかの超絶ラッキーが! 空車のタクシーが近づいてくるではありませんか。あまりにびっくりして、全員で笑い転げながら乗り込みました。
「いったい何事?」という感じの運転士さんに事情を話したら、ちょうどその先でお客さんを下ろしたばかりだそうで、「こちらも超絶ラッキーですわ!」と。
1年分くらいの運を使い果たしたかもしれないけど、ありがたい結末でした。ヨルミクラ、すてきですよ。下山してから歩かなくていいのなら、ですけれど。