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登山中に食べる「行動食」の最適解は? 理想的な食べ物と本当にあったトンデモ事例とは【序編】

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  • 行動食を食べる女性。山に持って行くのに適した食糧はいろいろある
  • 登山で行動中に食べるものとして、適しているとはいいがたい藁苞納豆
  • ごみが多く出るので、皮つきのスイカの持参はおすすめしない
  • 皆に喜ばれる山向きの食べ物、カットフルーツ
  • 行動食の例

初心者の方からよく聞かれるのが、「山に持って行く食べ物は、どういうものがいいのですか?」という質問。登山で行動中に食べるものを「行動食」と呼びますが、季節によっても、山行のスタイルによっても条件は異なります。食に関しては個人の嗜好も重要なので、一概にはいいにくいのですが、基本的なセオリーというのはあります。まず初めに「どんなものが適しているのか」という質問について、逆の事例を見ていきます。

これまでに見たオモシロ行動食の事例集

長年登山をやっていると、けっこういろんな事例を目撃するものです。ユニークな行動食といえば、「藁苞納豆」をそのまま持ってきた事例でしょうか。

持ってきた本人は、スチロール樹脂のパック納豆と異なり、藁で包んである形状から、「携行性」が高いと思ったのでしょうか。しかし、そのままでは食べにくいし、うっかりすると手も汚れるし、ごみの始末など、あとあと大変だったのでは……。

「そのまま食べられる」「包材から出しやすい」「食べるときに手が汚れない」「直に手を触れずに食べられる」あたりは、基本的な条件ではないかと思います。

見た目にインパクトがあったのは、「食パン1本」丸ごと持ってきた事例。いや、デカいんですけど。バックパックの中でどれくらいの比率ですか? どうやって食べるのかなと思って見ていたら、普通にちぎってパクパク。チューブ入りのバターか何かを塗りながら食べていて、なるほどと思いましたが……。

「かさばらない」というのも多くの人にとって必須条件ではないでしょうか。

パンといえば、バックパックのサイドポケットにバゲットを1本突っ込んでいるのも見たことがあります。丸かじりするにはちょっと固すぎるのでは……、と思うのは老婆心でしょうか。

山岳会時代、面白い先輩がいて、北アルプスでの夏山合宿のとき、「高級メロン」を丸ごとひと玉、山頂まで歩荷してきてくれたことがあります。山頂でいきなりマスクメロンが登場し、入刀式! たまたま居合わせて目撃した人はびっくりしたと思います。メンバーはものすごくテンション上がって喜んだけど、あとの生ごみを数日間持ち歩くうちに腐敗して…。

かくいう私も、その感動を後輩に分けたくて、「スイカ」を丸ごとひと玉、かついで歩いたことがあります。

メロンよりさらに皮が分厚いので、食べたあとの生ごみの量はハンパない。まぁこの日は日帰りだったのでよかったのですが……。「ごみが出ない」ことも重要ですし、通常は少しでも荷物を軽くしたいものなので、「軽量であること」も計画によっては条件となります。