富士山をお膝元に置く山梨県には富士ビュースポットな山が目白押し。山中湖や河口湖といった富士五湖周辺の山々はもちろん、大月市内に居並ぶ秀麗富嶽十二景や甲州アルプスにも名を連ねる大山塊などなど枚挙にいとまがありません。山行予定を立てる楽しさを教えてもくれるエリアですが、新たにその楽しさを知ってもらおうと誕生したのが山梨県都留市のオラが街のアルプスです。
地元の山岳会が発案し、市と協力のもと新ルート開拓
都留アルプスは2016年(平成28年)頃から地元登山会と都留市の協力のもと、倒木除去や大木の伐採、階段設置などの整備により誕生した新ルートです。都留市の東西に連なる500〜700m級低山をつないだ全長距離約8kmに及ぶルートとなっています。基本、富士急行大月線の都留市駅〜東桂駅感を歩き通すのがフルコースの公式名称は「がっつりコース」でコースタイムは約5時間半となっています。ここではフルコースを東桂駅からルートに踏み入り、都留市駅に下山します。
東桂駅から国道139号を大月方面に歩き、不二家の角を右折。道なりに進み、鹿留川を渡る古渡橋を渡った先の集落の行き止まりに登山口はあります。鹿留川は山梨県南部を流れる桂川の支流ですが、桂川との合流部におなん淵という小さな滝があります。山梨名水百選に選ばれる鹿留川の流水は、山中湖を見下ろす石割山が源流の、地域の生活を支えてきた河川です。
橋を渡った先の古城山清浄院跡の石碑が立つ地蔵群の先が都留アルプスの登山口です。踏み入ってすぐに住吉神社の鳥居があります。神社で山行のお参りをして脇を抜けた先が標高583mの古城山の山頂です。地域の里山そのもののオープニングです。古城山から一度大きく下ってクレインの森という広場を抜けます。
MAPにはない登山道上では存在する主峰の不思議発見
都留アルプスの標識を追って進みゆくと2番目のピークに行き着きます。最高峰の都留アルプス山(標高713m)です。ただ、この都留アルプス山ですが、都留市公式の都留アルプス・ハイキングMAP上で山名を見ることができません。都留アルプス山の不思議発見ですね。
山頂はあいにくの眺望ですが、少し進んだ稜線上に絶景ポイントがありました。稜線上からは滝子山、ハマイバ、雁ヶ腹摺山、高川山といった大月市の秀麗富嶽十二景に加え、鶴ヶ鳥屋山、黒岳などが峰をつなげます。
この稜線上に友愛の森の東屋、元坂水路橋と続きます。水路橋はピーヤと呼ばれ、桟橋を意味するそうです。アーチ状の水路橋は同コース上に2カ所あります。有名なのはこの先にある鍛冶屋坂水路橋のようで、結構修復を受けているように見えますが、こちらの元坂水路橋は、それなりに歴史を感じさせる佇まいです。