切通の先の隠れ里風畑地でプチタイムトリップを味わう
一転して(女坂)の方ですが、市でも詳細を把握できない生活道路だったのでしょうね。しかし、なかなかに見事な切通です。幅も広く取られ、人馬が通れそうな感じです。物流要路として機能していたのでは、と思えます。手広側からのアプローチには後になってからブロックが埋められたのでしょうか、ステップ状で歩きやすくなっています。
立派な巨木が力強く根を張り、一方で側壁には鎌倉らしい「やぐら」らしき横穴墓も1カ所あります。なかには御影石の立派な新しい墓石が安置されているのが見てとれます。鎌倉殿の時代の生活風習が、現代にも生かされているのですね。
やぐらの先は森に囲まれたように薄暗く、苔むした古道が緩やかな弧を描いて続きます。そして竹林。竹林のアーチを歩きゆくと、まるでジブリの世界に繋がっているのではと錯覚を覚えるほどです。
庚申塚も三基置かれています。行き着いた先は畑地が広がっており、さながら隠れ里を思わせる趣です。この静かな里地と多くのクルマが行き交う道路を結ぶ谷戸坂の切通(女坂)は、鎌倉七口とは違った不思議なタイムトリップの魅力が残っています。
機会があればジブリの世界にトリップできる鎌倉切通ハイクを満喫してはいかがでしょうか!