ソトラバ

神輿が激突する「灘のけんか祭り」の舞台! 低山ながら播磨灘を見下ろす絶景の「御旅山」へ

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可憐に咲く秋の花を愛でる山旅

晩秋になると、いつもこの山に訪れたくなるのには理由があります。それは、里からすぐ登れる低山なのに、いろいろと稀少な花が見られるから。今年は気温が高くて、何がいつ咲くのか予測が立たず逢えなかった花もいろいろあるのですが、シックで可愛い「オケラ」が咲いていてくれました!

キク科の植物で、漢字で書くと「朮」。古来薬草として利用されてきた有用植物で、生薬名は「白朮(びゃくじゅつ)」。

文無しになることを「オケラになる」と言います。この植物から薬を作るときに根っこを使うのですが、皮をはぐ工程が、まるで〝身ぐるみ剥ぐ〟ように見えることが由来なんだとか。秋の七草のひとつ、キキョウも咲いていました。高貴な色合いが美しい憧れのです。

同じく、秋の七草のひとつの「オミナエシ」も。ほかにも、ワレモコウなども生えています。

流紋岩の岩場があって、この上に登ると景色がよいので、ふつうの登山道もあるのですが、わざわざここを通ります。

尾根を下っていくと、やがて松原八幡宮の御旅所へ出ます。ここは、「灘のけんか祭り」のときに、麓で屋台練りを終えた屋台や神輿が登ってきて、神事を行う場所。かなりの坂の上にあるので、重たい屋台をかついでいる男衆は本当に大変だと思います。

下山して、ゴールの松原八幡宮へ。天平宝字七年創建と伝わる古社で、妻鹿の漁民が海の中から八幡大菩薩と書かれた紫壇の朽木を拾い上げたことから、豊前の宇佐八幡宮の分霊を祀ったとされています。

祭りの名残でしょうか、拝殿の前に屋台が3基据えられていました。格調高い造りですが、祭りのときにはこれを激しくぶつけあって、壊れるほど神意にかなうとされているとか。

さて、せっかく播磨灘の「前どれ」がいただける地に来たのだから、食べていかないと! 坊勢島の魚が直送されてくる妻鹿漁港にある海鮮問屋併設の食堂で、しらす丼をいただきました。

魚の煮つけ、魚のあらで出汁をとった味噌汁も絶品でした。 秋から早春にかけての播州方面は、温暖で晴天率が高く、ハイキングには最適。そして美味しいものもたくさんあるのが何よりの魅力です。