熊野古道の巡礼路が有名な和歌山県ですが、北部の岩出市に、四国八十八カ所を巡るお遍路になぞらえた巡礼路があるのをご存じでしょうか?
約900年の歴史を誇る新義真言宗の総本山「根來寺(ねごろでら)」の目の前に広がる「五百仏山(いおぶさん)」です。標高約175mの愛宕山(あたごやま)を通過して時計回りに進むことで、山道沿いの88カ所に祀られたお地蔵様を順に参拝することができます。
紅葉シーズンのなか、ハイキング歴20年以上の母とビギナーの私で、五百仏山の遊歩道ハイキングコース約3kmを散策してきました。本記事は、「第五十番」周辺まで歩いた記事の続きです。
紅葉彩る「モミジゾーン」
「第五十番」のお地蔵様に差し掛かった頃にポツンと現れたのは、年代を感じる案内板。確認したところ、これから「モミジゾーン」に入っていくことがわかりました。ちなみに、根來寺に確認したところ、この案内板には「いよぶざん」と振り仮名がありますが「いおぶさん」が正式な読み方だそうです。
落ち葉が降り積もる山道を上り下りしながら進むと、次第に、辺り一面の紅葉に包まれました。
さっきまで広葉樹の落ち葉ばかりだった足元は、気がつけばもみじの絨毯に変わっていました。こうやって見ると、着物の柄みたいで可愛いですね。
重要文化財が集まる根來寺を一望
コース序盤は、お地蔵様が山道沿いに次々と現れていたため、拝んでは進むのわんこそば状態でしたが、「第五十二番」から「第六十五番」の辺りは間隔がやや広いため、ゆったりと紅葉を楽しみながら参拝することができました。
お地蔵様はどれも石造りの小さなほこらの中に祀られているので、住所のように番号を確かめながら、1軒ずつお地蔵様のおうちを訪問している気分でした。
参拝しながらハイキングをしていると、右手の景色が開け、根來寺が一望できるスポットに着きました。ツンと天高く伸びている建物が、国宝「大塔」です。日本最大規模の大塔で、内部に入ってお参りができるのは根來寺だけなのだそう!
根來寺を望む眺望もさることながら、目前の視界いっぱいに彩る紅葉にうっとりしながら先へ。