野生のイノシシと急接近!?
山肌に細く伸びる小道を上ったり下ったり。「あら綺麗だね。ドウダンツツジかな?」と、ときどき紅葉を楽しみながら、順にお地蔵様を拝んでは進みます。

よく見ると、あちらこちらに獣が餌を探して掘り返した跡。しばらく歩くと、イノシシの捕獲用の檻が登場。スポットライトのごとく太陽の光に照らされた檻を目の当たりにして「近くにいるってことやん……」と、2人揃ってゾッとしながら先を急ぎました。

イノシシは夜行性ではなく昼行性。出くわさないように、声のボリュームを上げて会話をしながら進むことに。すると、「ブヒブヒッ!」と茂みの奥から鳴き声が聞こえました。
漫画『ちびまる子ちゃん』に登場する「ガーン!」の表情で一瞬固まった2人。「ま、まさかね……」と苦笑いで顔を見合わせ、足早にその場を去りました。幸いにもイノシシに遭遇することなく、事なきを得ました。

「自然散策ゾーン」の先に展望台
脇道にそれる小さな階段があったので「こっちはなんだろう?」と登ってみると、急に舗装路に繋がりました。舗装路を上がった先に現れたのは、標高約175mの「愛宕山(あたごやま)」の頂上に位置する展望台でした。


木々がかなり生い茂って眺望は狭まっていましたが、根來寺とは逆側に広がる岩出市と紀の川市の町並みを眺めることができました。

舗装路をたどればそのまま下山できそうですが、今回の目的は巡礼。「え~、またそっちの道に進むの~。大人数のハイキングは好きだけど、少人数だとイノシシが出そうで不気味だよ~」という母の定番の文句は聞き流し、先ほどの階段を戻って、再び山道を進みます。

歩いていると、年代物の案内板がポツンと現れました。どうやら今歩いてきた第一番から第五十番周辺は「自然散策ゾーン」に当たり、ここからは「モミジゾーン」に入るようです。モミジゾーンということは、山肌を覆うあの見事な紅葉が間近で見られるのかも……?
期待を胸に、コースの後半へ突入していきました。この続きは別記事で。
【データ】
■五百仏山
住所:和歌山県岩出市根来