ソトラバ

まさかの野生イノシシとのニアミスに「ガーン……!」 弘法大師も祀られる五百仏山ミニお遍路を歩く

楽しい外遊びはソトラバで。アウトドアWEBメディア Soto Lover

  • 第五十番のお地蔵様
  • 紅葉する山
  • 神池
  • 第一番のお地蔵様
  • 険道の入り口
  • 薮のトンネル
  • 近道に繋がる分岐
  • 木々に囲まれた山道
  • 杖を持って山道を進む母
  • ドウダンツツジ
  • イノシシ捕獲の檻
  • 倒木の横を歩く母
  • 舗装路
  • 展望台
  • 展望台から見た景色

約900年の歴史を持つ新義真言宗の総本山「根來寺(ねごろでら)」。和歌山県岩出市に位置し、約350万㎡の境内に国宝や重要文化財が集まる国指定の史跡です。

その向かいの山中に、四国八十八カ所を巡るお遍路になぞらえた巡礼路「五百仏山(いおぶさん)」があります。紅葉シーズンのなか、ハイキング歴20年以上の母とビギナーの私で、五百仏山の遊歩道ハイキングコース約3kmを散策してきました。これまで初級者向けのコースを案内することが多かった私ですが、今回は中級編です。

お遍路の縮尺版「五百仏山」

私が五百仏山の存在を知ったきっかけは、紅葉スポットとしても有名な根來寺にもみじ狩りに行ったことでした。根來寺でのもみじ狩りを存分に楽しみ、帰路に付こうと振り返ったときに目に留まったのは、山一面の見事な紅葉。

根來寺で配布されたマップを確認すると、車道を挟んで反対側の山に「五百仏山遊歩道」の文字が載っていました。「そういえば、数年前に友だちと歩いたよ。確か歩きやすい道だったかな」と話す母の言葉を頼りに、日を改めて今回、ハイキングすることにしたのです。

紅葉する山

お遍路の縮尺版なら、巡礼すればご利益がありそう! ということで、山道沿いに祀られた88カ所のお地蔵様を順にお参りをすることに。「ワ」の字をめいっぱい横に伸ばした形のコースを時計回りに進みます。

神池

「岩出市民俗資料館」を過ぎ、ほどなくして車道の反対側に「神池」が見えてきました。このほとりに「第一番」の文字が刻まれた石碑を持つお地蔵様が祀られています。

第一番のお地蔵様

「歩きやすい道なら息子(3歳)も連れてくれば良かったかな」と思ったのも束の間、すぐにその考えは一蹴されました。第一番の奥にあったのは、鬱蒼と生い茂る険道。入り口が2つあり、右は「第五十八番」に繋がる近道のようだったので、順路通り左の道へ。

険道の入り口

予想以上に荒々しい山道

平日だったためか、根來寺付近で見かけた人影はどこへやら。今にも獣と遭遇しそうな雰囲気が漂います。母に「歩きやすい道って言ってなかったけ?」と尋ねると、「以前訪れたときは、こんな道じゃなかったんだけど~」と狐に摘まれたような顔をしていました。

進むほどに険しくなる道。薮のトンネルや折れた枝ののれんを潜り、次々と現れるお地蔵様を順にお参りしていきます。

薮のトンネル

しばらくして、また近道の分岐が出てきました。冗談と本気が入り混じったトーンで「こっちの道にする~?」という母の誘いに負けじと、直進の順路を進みます。

近道に繋がる分岐

私との初心者ハイキングでは落ちた枝を即席の杖代わりにしがちな母ですが、今回は第六感が働いたのか、トレッキングポールを持参。「念のため持ってきて良かったよ。杖なしだと落ち葉で滑りやすいから、足元に気をつけてね」と言って先導してくれました。

杖を持って山道を進む母