全国2位の高さを誇る天王塚古墳
しばらくすると、トイレ付きの休憩所に到着。丘を1周するコースとは別に、休憩所の脇からぐっと奥に伸びる1本の舗装路がありました。
地図を確認すると、約800m先に「天王塚古墳」のマーク。全長約88m、石室の高さが全国2位を誇る約6mの前方後円墳があるとわかりました。2016年に天王塚古墳が岩橋千塚古墳群に加わったことを受け、獣道が整備され、2022年にこの舗装路が完成したそうです。
しかし、休憩所から天王塚古墳までの片道は、大日山35号墳まで引き返すのとほぼ同じ距離だと知り、3歳児に追加で約800mの往復は厳しいか…….とスキップすることに。
「墳丘への立ち入りは禁止だし、石室は非公開だから、きっと小山をそばから眺めるだけよね」と負け惜しみを言いつつ、メインのコースを前進。天王塚古墳はごく稀に限定公開をしているようなので、いつかその機会を狙いたいと思います。
多様な石室の公開古墳エリア
ここからはメインのコースも舗装路になっています。急勾配の坂道を下ると、内部まで見学可能な古墳が集まる「公開古墳エリア」に入りました。左右のあちこちに、こんもりとした小さな山。これらは全て古墳です。
横穴式・竪穴式・箱式など、石室のタイプはさまざま。岩橋千塚古墳群の築造時期は4世紀末頃~7世紀の約300年間にわたるため、時代の経過と共に埋葬の仕様が変化したことがわかります。
綺麗な紅葉がゴールでお出迎え
傾斜のきつい坂道に足がもつれないように気をつけながら下へ。3度ほど大きなカーブをぐっと曲がると「史跡 岩橋千塚」の石碑が現れ、スタート地点が見えてきました。
ゴールで出迎えてくれたのは、素晴らしいもみじの紅葉でした。
寄り道をしたので、私と母はヘトヘト。昼食が遅くなってしまったので息子はお腹がペコペコ。ですが、無邪気に駆け出したりと、まだまだ元気。足の強い3歳児だなと感心しつつ、埴輪にお辞儀をして、丘の麓にあるオムライスの美味しい喫茶店を目指しました。
幼い頃から気軽に訪れていたことで、すっかり知ったつもりになっていた紀伊風土記の丘。今回は、まさに灯台下暗し。地元の魅力を再発見するハイキングとなりました。
【データ】
■和歌山県立紀伊風土記の丘
住所:和歌山県和歌山市岩橋1411