自然豊かな環境が楽しめる国立公園。敷地内にキャンプ場を備えている場合もあるため、キャンプ好きにとっては身近な場所かもしれません。とはいえ、“国立公園”自体がどのようなものかはよく知らないという人も少なくないでしょう。そこで今回は、国立公園の成り立ちや魅力に注目しました。
アメリカから始まった国立公園制度
国立公園とは、「自然公園法」という法律に基づいて国が指定したエリアのこと。日本全国では34カ所の土地が国立公園として定められ、すべての国立公園を合わせた広さは国土の約5.8%を占めます。
そもそも世界的に国立公園という制度が広がったのは、1872年にアメリカが「イエローストーン国立公園」を指定したことがきっかけ。日本では1934年に、「瀬戸内海」「雲仙」「霧島」の3つが国内初の国立公園になりました。なお、公園内は「レンジャー」と呼ばれる専門の自然保護官によって管理されているのが特徴です。
“自然”だけが国立公園の魅力ではない!
国立“公園”と聞くと、広々とした原っぱがある空間や木々が生い茂る風景を想像するかもしれません。確かに緑豊かなエリアが国立公園として指定されているケースは多いものの、実際の国立公園が有する環境には幅広いバリエーションがあります。
例えば一口に自然豊かな場所と言っても、原始的な風景が残る山岳から湿地帯、サンゴ礁のある海域までさまざま。植物だけでなく野生生物も含めた生態系を理想的な形で保持していて、日本の国立公園内では約7000種類の植物と1000種類以上の動物、およそ7000~10000種類もの昆虫類が生息しています。
また敷地内に農地や集落が含まれる場所では、収穫体験、料理体験などのアクティビティを楽しめるケースも。日本各地の良さを自然、歴史、文化と多様な視点で守り伝えることも、国立公園の大きな役割のひとつだと言えるでしょう。