丸太の渡渉、岩飛びの渡渉、そしてさまざまな奇岩巨石
不動滝からは数度の渡渉を経て高度を引き上げていきますが、この渡渉バリエーションが楽しいと思えるか、怖いと思うかで同ルートの経験値に差が出るかと思います。木橋はもちろん、丸太組みもありの橋は、いずれも横に渡す杭が一部欠損していたり、苔が生えたり、結構スリリングです。岩伝いの渡渉も水量次第では足場のルート決めに悩みそうです。
ししくい坂の銘板のあるロープ伝いの一枚岩の組み合わさった坂路は、靴が滑りやすいので細心の注意が必要です。下からは、その標識板が見当たらないのですが、登りきった先に発見。「頑張って」の一言が添えられた手書きの銘板は、確かに下山者向けの注意喚起にふさわしいものと感じます。
絶景が待つ山頂は足元要注意の切り立った岩の断崖絶壁
夫婦岩やクーラー岩など、次々と現れる巨石巡りも、不動坂からの急登でアドレナリンが溜まりだした足を休ませるのに都合よく楽しめるかと思います。そしてメインルートと山頂直下で合流。最後の山頂アタックは鉄梯子。登りきった先に待ち構えるは山頂の巨石の上。
恐る恐る巨石の淵を覗き込めば瑞牆山といえばの断崖絶壁。少し離れて立ち上がっている大ヤスリ岩。週末ならこの佇立した巨石に張り付くクライマーさんたちの果敢な姿を見ることができるかもしれません。
タフでアスレチックな岩越えを繰り返してたどり着いた絶景ポイントからは、好天に恵まれれば東に富士山や金峰山、西に八ヶ岳を眺めることが可能です。ただし、山頂は断崖絶壁の岩場ゆえ、意外に狭いので休憩時には十分に気をつけるようにしましょう。
帰路はピストン、ないしはメインルートの瑞牆山荘方面に降り、富士見平小屋から自然公園の標識板を追いかけてみずがき林道に下ることもできます。全体で5時間から5時間半の山行目安です。