横浜と湘南を結ぶ大動脈の国道1号線は、渋滞と切り離すことができないほど交通量が多く、とりわけ戸塚区の原宿から藤沢市に接する俣野町間は、さまざまなロードサイド店が並んでいることもあり、週末の交通情報では大抵が渋滞の赤色に染まります。一方で、同区間の西側には個性的な3つの公園が国道1号線に沿って南北に並んでいます。一歩内側に入った市道脇は喧騒を感じさせない静かな公園歩きを約束してくれます。
スイス人が愛した森は冒険心に満ちた住宅街の山奥
横浜市にある47の市民の森公園のうち、唯一カタカナ表記の森があります。「ウイトリッヒの森」といい、横浜を通る大動脈の国道1号線原宿交差点から約300mほど藤沢に寄った俣野町にあります。カーディーラーや激安スーパー、飲食店などのロードサイド店舗が並ぶ国道1号線から一区画西側に入った住宅街は、その喧騒とは打って変わって閑静そのもの。
ウイトリッヒの森は、かつてその地に住居を構えていたスイス人のアーノルド・ウイトリッヒ氏の名前を冠しています。同氏の故郷の風景に似ているということで、こよなく愛したこの森は後に横浜市に寄贈され、市民の森として憩いの場を提供するに至っています。公園入口は整地された石畳の通路。進んだ先にあるアリンコ広場にはベンチが置かれています。ウイトリッヒさんの家が建っていた場所ですが、コナラの雑木林と竹林に囲まれた静かな広場です。
広場から先へは柵のある通路をたどっていけますが、手つかずの自然のままにある森は、通路をシダ類などが伸び、趣は山奥の鬱蒼とした森の様相を呈しています。静かな森散策ができますが、やや荒れたままの感じもあります。季節を選ばないと虫刺されが大変かもしれません。
眺望抜群! 丹沢の山並みを一望にできる絶景公園
ウイトリッヒの森から約1kmほど南に向かった東俣野町にある「東俣野中央公園」は、軟式野球場グランドやテニスコートを備えた運動公園です。
段丘を利用した高低差のある園内の空の広場や、その脇の展望台からの景観は素晴らしく、眼前には丹沢の山並みが広がります。展望台に設置された山名盤を見ると西側に富士山も確認できるようです。東側には旧横浜ドリームランドホテルで現横浜薬科大学の学究施設となっているタワーが屹立しています。
同公園はジャックと豆の木をイメージして作られた公園で、園内には先述の空の広場以外にも雲の広場、豆の遊び場や巨人の城、そしてジャックの家と呼ばれる遊具広場や、100段以上ある金のたまご階段など、物語を想像できる施設が点在しています。駐車場も有料ですが確保されていますので、小さいお子さん連れでの散歩には最適かと思います。