荒天時の行動判断にセオリーってあるの?
山での行動判断は難しくて、「こういう場合にはこう」という正解はありません。
山岳気象は、平地とは異なる点が多く、たとえば、気温は標高が100m高くなると0.6℃低くなるとされています。
御嶽山は約3000mなので、街中が35℃超えの猛暑日でも20℃に届きません。
風が吹くと、さらに体感温度が下がります。風速1mあたり、体感温度は1℃下がるとされているので、今回、稜線上の体感温度は完全に0℃以下でした。
地形によっても風の吹き方は違うし、植生による影響も大きいです。たとえば、今回なら西風だったので、東側斜面に入ってしまえば風当たりはましですし、樹林帯ではほとんど風を感じませんでした。
つまり、悪天時に進むかどうするかを判断するには、天候だけでなく、その先の地形や植生、そしてメンバーの状態など、あらゆる要素を考えながら総合的な判断をする必要があるということです。
悪天の山行は〝残念〟か?
今回は結果的に、最も楽しみにしていた五ノ池小屋に行けなかったので、リベンジどころか返り討ちに遭ったようなものです。
けれど、
「雨も風もすごくて、寒くて辛くてたいへんだったけど、確実に経験値が上がったと思います」と、なぜだか楽しそうなメンバーたち。
条件が良くて予定通りに行ける方がよいに決まっているけれど、死なない範囲で? 悪天などの試練に遭うことは、経験という意味では悪いことではないのだなと改めて思いました。
非日常的な大荒れの中から無事生還してきたら、ミョーに穏やかに晴れてるとか、山の「あるある」ですね……
今回、またしても追い返されたけど、しぶとくまた計画しようっと。