人力によるさまざまな移動手段を使って、日本のいろいろな場所の自然・歴史・文化・人との交流を堪能しながら旅をするスタイル、それが「JAPAN ECO TRACK(ジャパン エコ トラック)」です。
スケールの大きなアウトドアの楽しみ方ともいえる新スタイルの旅で、選ぶ移動手段はもちろん人力。サイクリングやトレッキングだったり、ルートによっては水上をカヤックで進んだり。スノーシューやスキーを装着して歩いたりもします。
そうしたバラエティ豊かでエキサイティングなルートを進んでいくプロセスでは、その地域の協力店などが旅をサポートしてくれます。
過疎地の地域活性化まで見据えたプロジェクト
この旅のスタイルは、ジャパンエコトラック推進協議会が立ち上げたものです。アウトドアブランドのモンベルをはじめとした多彩な企業や団体、自治体が参画しています。
日本の国土の実に6割が過疎地という現状を逆手に取るように、各地域をのんびりと旅しようという考えに基づいたプロジェクトです。
そして、ジャパンエコトラックによる旅を通じて、ルートとなる地域の観光資源の発見や魅力の開拓、地域活性化も期待されています。
ビギナー向けからチャレンジングなコースまで多彩なラインアップ
ジャパンエコトラックに登録している地域は、北海道から九州まで34エリア。現在、公式登録されているルートはなんと400以上。モンベルストアにはルートマップが用意されていて、一部のマップでは外国人でも使えるよう英語や中国語にも対応しているほか、公式ウェブサイトは英語化されています。公式アプリもあり、プランニングやルート検索、現在地でのナビゲーションといった便利な機能が充実しています。
各ルートは地域の風土や人との交流、自然を満喫できるコースで、ルートのコンプリートに要する体力レベルなど細かい設定もあります。チャレンジする人は、そうした設定条件もルート選択の目安にできます。
アプリやウェブサイトのルート検索機能を使えば、設定項目は1~3段階の体力レベルのほか、4時間未満・4~8時間・8時間以上の3パターンの所要時間、ほかにもトータル距離や獲得標高など。自分の体力、費やせる時間、好みの移動手段に合わせながらコースを選べるようになっています。
大雪山系の自然を堪能できる北海道の本格派コース
どんなルートがあるのが、一例を見てみましょう。
例えば、北海道の「シートゥサミット大雪 旭岳ルート」。体力レベル3、距離は22km、所要時間は5時間50分の、大雪山の神秘的な自然を満喫できるアクティビティです。
まずはダム湖の忠別湖をカヤックで一周。その後、旭岳の山麓を自転車で進みます。姿見駅で旭岳ロープウェイを下りた先からはトレッキングで山頂へ。
コース上には温泉地も。のんびりと湯浴みを楽しみながら行くのもこのコースの醍醐味です。