初夏の東北山旅は、秋田駒ケ岳へ南側から登って、北側の八合目まで縦走するという行程。南側五合目にある国見温泉石塚旅館が起点です。
朝からしっかり温泉に浸かって、朝食もたっぷりとといただいて。唯一ネットにつながる玄関上の部屋で、出発前に天候の確認をしてみたら……。
全国的に豪雨被害が出ている
梅雨時なので雨は覚悟してきましたが、あまりひどい天候だと計画を考え直す必要があるかもしれません。雨雲はどうなってるかな? と、レーダーの画像を確認してみてびっくり。まずデフォルトで表示される全国版を見てみたら、九州、四国から東海、北陸にかけて、ものすごい降雨帯。そして、東北北部から北海道にかけても厚い雲が伸びています。
「雨が降ってないの、このへんだけやん?」
テレビでも、お天気キャスターが「災害級の雨に注意を……」と呼びかけていたのですが、なぜか、私たちがいる秋田県付近には雨雲がない。もしかして私たちって、〝持ってる〟? それでは、日焼け対策をばっちりしてから、出発しましょう。
長大なコースを案内看板で確認
登山口には案内図がありました。「火山活動に注意」という看板もあります。前日に確認しましたが、現在の活動状況は「レベル1=活火山であることに留意」です。登山届を入れるポストも設置されていましたが、私たちは出発前に「登山のコンパス」でweb提出しています。
登山口からはいきなりの階段続きとなりますが、さっそく可憐な花がお出迎え。ピンク色で可愛らしいウラジロヨウラクが風に揺れています。
ツツジ科らしい葉っぱも花もかわいい、アカモノ。
道端にたくさん群生していたのは、コイワカガミ。色は株によって違っていて、白に近いものから紅色に近いものまでさまざまでした。
「横長根」の長い尾根道を行く
長くて急な坂道をがんばって、ようやく主尾根に乗ります。眺望が開けて、ここから先は比較的なだらかな尾根歩きのコース。空は高曇り。カンカン照りだと暑いので、ちょうどいいかも。
尾根に出たところで景色を眺めながら休憩していると、イガイガの実がなってました。
ブナの若い実のようです。ブナの実は栄養たっぷりで、ツキノワグマの大好物なのだとか。ブナをはじめとする木の実が不作だと、クマが食べ物を求めて里へ下りて来るとも言われているのですが、今年のブナの実りはどうでしょうか。ココで見た限りではたくさん実ってました。
長大な横長根の尾根道を歩いていると、次々にいろんな花が目に入ってきます。紫色の高貴な感じの花は、コミヤマハンショウヅル。園芸植物のクレマチスと近縁で、可憐な花が人気のつる植物です。
白くて小さな花がペアで咲いてました。サクラソウ科のツマトリソウ。
同じ白でも、涼しげで繊細な花を咲かせているのはカラマツソウ。
次々といろんなお花が登場して、疲れを感じる暇もありません。
お次にお目見えしたのは、ベニバナイチヤクソウ。白花の方がよく見かける気がするのですが、ココで見たのはすべて紅色でした。
花に見とれながら緩やかな尾根を登って、ふと来た道を振り返ると、長い長い尾根の西側に見えるのは雲海?
一か所だけ雲海ができているのかと思ったのですが、よく見ると上側に見える山の稜線がそのまま反対向きに映ってる。ということは、水面が白く見えているようです。方角からすると田沢湖かな。