多紀アルプスの小金ヶ嶽と御嶽縦走登山の後編は、御嶽の山頂から大岳寺(みたけじ)跡、そしてクリンソウ自生地を目指すパートです。御嶽の山頂も岩場で、石で囲まれた祠があります。中に祀られているのは、役行者のようでした。
〝つわものどもが夢の跡〟は今……
山頂から南へ伸びる尾根を下っていきます。なかなか急なところもありますが、石仏があったり、景色が見えたり、いろいろと楽しめるルート。
大岳寺跡は、七合目あたりになるのですが、最盛期には塔頭(たっちゅう)が11もあったとか。かつて建物があったのではと思われる平坦地がところどころに出てきます。寺跡付近に解説看板が立てられていましたが、丹波修験道の中心であったこのお寺は、吉野の大峰山に対して「新金峯山大峯山」と称して対抗。隆盛を極め、一時は吉野より栄えていたほどだったのだとか。
しかし、本山の大峰から登山の督促があったのに応じなかったため、怒った大峰山が僧兵300人を遣わし、攻め滅ぼされてしまったそうです。僧兵おそるべし。
そして、かつてたくさんの塔頭が建ち並んでいたかもしれないあたりには、今は何の痕跡も見当たらず、静まり返る中に初夏の名花がひっそりと咲いていました。