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紫式部や源義経も訪れた? 梅雨時でも歩きやすい日本の原風景「藍那地区」での里山ハイキング

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義経軍が軍議を開き進路を相談した地?

ため池や畑があるエリアを進んでいくと、あいな里山公園の入口へ。この付近は「相談ヶ辻」と呼ばれる場所で、源平合戦のときに、丹波の山中を進軍してきた義経軍が、ここで軍議を開いて、右へ進むか左へ進むかを相談したと伝えられています。

あいな里山公園の相談ヶ辻

相談ヶ辻のいわれについて解説した看板も設置されています。

相談ヶ辻解説の看板

ところで、藍那駅からは、西回りであいな里山公園の歩行者入り口へ続く道もあります。そちらには、和泉式部の墓と伝わる石塔があります。和泉式部も来たことがあるのかな?

藍那の辻道標

この石塔があるあたりは「藍那の辻」という場所で、古い道標が残されています。古くから歩かれてきた2本の道が交わるところのようです。

いよいよ「国営明石海峡公園神戸地区」の「あいな里山公園」の園内へ。入園受付のある長屋門からすぐの広場には、茅葺の古民家を移築した建物があります。中に入ってみることもできますよ。

相談ヶ辻の家

園内は広く、なだらかに起伏するもともとの地形を活かし、展望スポットがある小高い丘や、せせらぎのあるエリア、果樹園ゾーン、水田、畑などが点在。実際に作物も作られていて、農業体験などをすることもできます。誰でも参加できる「里山体験」は、季節の農作業などにチャレンジできるのでお気に入りです。

雨の日には、室内でできる「野草茶づくり」などのプログラムが用意されていて、みんなでおしゃべりしながら手を動かすのは楽しいです。

野草茶づくりの作業

園内で採れた野草を使った野草茶は、大きなやかんで沸かして冷やしてあり、自由に飲むこともできます。

筆者は、この公園へは、里山体験がとても楽しいので季節を変えてよく訪れます。その時々で畑仕事や草抜き、薪割り、障子張りなど多彩な作業ができます。30分程度なので、暑い時期でも苦にならないレベルで、担当者が丁寧に教えてくれて、必要な道具も貸してもらえます。

これまでで一番印象に残っているのは、蓮根掘り。ゴム製の「胴長」をお借りして、膝くらいまで埋まる泥の中で蓮根を探して掘るというもの。非常に寒い12月頃でしたが、なかなかレアな体験となりました。

これからの季節(7月頃)に花が咲きます。蓮の花はとても美しくて好き。花を見るために近々また来るかも……。

7月に見頃を迎えるハスの花

この日は、近年稀少になってしまったササユリが咲いていました。里山を象徴する美しい花です。

里山に咲くササユリ

園内の散策を楽しんだあとは、「相談ヶ辻」へ戻って、鵯越へと向かいます。【後編】へ続く。