山登りやトレッキングの際の雨具といえばレインウエアが定番ですが、雨を避けることができる傘も、最近は重宝されています。
高低差がなく風の影響が少ない平地や樹林帯などでは安全に使え、体が蒸れずに快適に過ごせるのも、傘ならではの利点といえます。
モンベルでは1987(昭和62)年から、山歩きで使える折りたたみ傘「トレッキングアンブレラ」を発売。傘は手がふさがったり荷物が増えたりするため、それまで登山の雨具としては敬遠されがちでした。
そんな中、この商品は軽量かつ強度もあわせ持った、山登りのために開発された傘として、注目されてきました。
現在では登山のスタイルが変わり、ギアのバリエーションも増え、かつてなかったさまざまなアイテムが導入されています。
「トレッキングアンブレラ」も改良が重ねられ、軽量さとコンパクトさに加え、用途に合わせた使い勝手も向上。ラインナップも充実していて、雨の中の快適な登山に必須のアイテムとなっています。
先端から吊り下げるループで水切りがスムーズに
「トレッキングアンブレラ」は、素材や構造に4つのポイントがあります。登山で使用する際に最も重要な軽さと強度を、絶妙なバランスで両立させるため、アルミやスチール、カーボンなどさまざまな素材を、最適な場所で使い分けています。
また登山では天候の急変が頻発するため、激しい雨に対応する撥水性が重要です。「トレッキングアンブレラ」には、撥水加工を施した生地を使用。ほかの素材と同様に、生地の軽さと強度にもこだわっています。
さらに登山中には修理や買い替えができないため、壊れにくいことも必須の機能。「トレッキングアンブレラ」は、親骨とジョイントパーツを一体成形し、パーツ数を減らすなど設計をシンプルにして、故障のリスクを抑えています。
「トレッキングアンブレラ」の興味深い特徴は、傘をかけるループを持ち手側でなく、傘の先端側に設置している点。吊り下げた際に傘が開かず、そのままの状態で乾かせるなど、メンテナンスしやすい構造になっています。