秀麗富嶽十二景中で、もっとも標高の低い550mというお伊勢山。国道20号北側に広がる真木集落の、いわば里山の山頂は驚きの秀麗富嶽の眺望を誇っています。もっとも低い登山口からでも標高差100mにはるかに及ばないハイキングコースは、五福参りの寺社めぐりで知られています。日頃の登山安全祈願から家内安全、受験合格など自身+大切な人への思いを巡らす旅でもあります。
里山から見える富士山のイメージを大きく変える大眺望
その山頂からの秀麗富嶽は、その他19座の山頂からの眺望に引けを取らない美しさ。しかも美しさに見惚れるばかりでなく、目に飛び込んでくる大きさにも圧倒されます。まさにV字ネックと言っていい山肌に挟まれた谷合に現れる富士山の圧力たるや、その山頂の標高が1000mにみたいないどころか、わずか550mとは思えないものです。
秀麗富嶽十二景の山々のいずれにも言えることですが、蒼天に聳える壮大なシルエットだったり、特徴的な山頂部だけにフォーカスするような森林や前山などの自然が作り上げるフレームの素敵ないたずらで、富士山眺望のバリエーションの豊富さを気付かせてくれます。お伊勢山からの富士山の眺望は、その最たるものかもしれません。
山頂には秀麗富嶽十二景を撮り続けた写真家・白旗史朗さんの顕彰碑が置かれています。お伊勢山から見る富士山の美しさを切り取るにふさわしい聖地でもあります。朝焼け、夕焼けの日がな一日だったり、春には紅梅、桜、ツツジの花を添え、秋には錦秋をまとい、白銀に覆われた富士山を映し出す里として写真愛好家に知られています。