キノコの森を映し出す高架橋は土木建築の最優秀作品
陣ケ下渓谷にまつわる注目点が、先ほどの入口からすぐの遊歩道にありました。高架橋です。とてもオシャレな高架橋は2003年の土木学会デザイン賞で最優秀賞を受賞したというアーティスティックなもの。
このスマートでエレガントな高架橋はPC中空床版連続ラーメン橋という形式を採用しているそうです。オバQの現役世代なもので、ラーメンというと小池さんと脊髄反射してしまいますが、そのすする拉麺のラーメンではなく、ドイツ語で骨組みを意味する言葉だそうです。
高架底面から柔らかに曲線を描きながらストンと落ちる高架橋はまるでキノコのように見えます。この高架橋の構造はピルツ構造といい、これもドイツ語でキノコの意味だそうです。さながら巨大なエリンギの森かと思うほどに上下2車線の高架道路から生えています。
うっとりするほど美しい柱表面には木目の加工が施されています。聞けば、木の型を作ってコンクリートを流し込んだとか。建築デザインは大野美代子さんという建築家にして橋梁デザイナー。女性らしい設計思想が、公園のイメージとシンクロしていますね。
反対側にある西原口には有料駐車場とトイレが完備されていますので、まだ未踏の方は一度、渓谷探訪に訪れてみてはいかがでしょうか。公園内にはベンチやテーブルを設置したウッドデッキもあります。アップダウンのある園内をくまなく散策しても1時間少々と適度な運動になります。