大月市と上野原市にまたがる扇山は標高1138m。JR中央本線の車窓から、そのゆったりとしたたおやかな稜線を確認することができます。山容に違わずビギナーに優しい入門の山としてだけでなく、何度でもリピートしても魅力を損なうことのない山として高い人気を誇っています。またその山頂からは東西と北に縦走も楽しめ、登山コースのバリエーションも豊富です。
初心者に優しいルートは、まるで天空への誘い
コンパクトな駅チカの山々が全シリーズの半数を占める秀麗富嶽十二景のなかで、恐らくもっとも広い山頂を誇るであろう扇山。肩を並べる七番山頂・百蔵山とともに、ビギナーズハイカーが登っておくべき山として人気です。山頂手前の緩やかな登りの尾根は、さながら天空に誘う滑空路の趣で気分もハイになること請け合いです。
扇山山頂からの富士山の眺望は正面南に杓子山をはじめとする道志山系の山並みを従え、東へは丹沢山系を望む壮大な姿を拝むことができます。秀麗富嶽十二景ならではの、富士山後方が駿河湾というビューポイントでもあり、その美しいシルエットは何物にも邪魔されない背景クリアの切り取り自由で、写真の画角そのものを登山者のセンスに委ねます。
山頂ベンチの数が多いのも扇山の特徴ですが、休日の午前9時の1本のみのバスダイヤを利用する方々には、ゆっくり山頂ハイクでちょうど山ランチなタイミングになります。お昼前後の山頂はベンチにあふれた登山者が思い思いにランチシートを広げ、大賑わいを見せます。