アウトドアで「もんじゃ焼き」ってマジかっ! やってみたら目から鱗のそのお味やいかに

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野外でバーベキューをする場合、火を起こして、網に肉を載せて、こんがり焼いたら食べる。とくに工夫を凝らさず、たったこれだけのことでも十分に楽しかろう。野外にはそれだけの魔力がある。

だけど……どうせなら変化球を投げたほうが楽しさは増すはず。じゃあ、肉を焼く以外のことって、何がありますかね? イカとか焼いちゃう? ホタテなんかも載せたりして? ……というように、編集部で事前のアイデア出し会議をやったときに出てきたのが「アイス+焼肉のたれ」だったり「炒飯づくり」だったりしたわけですが、編集のM嬢が唐突に提案してきたのが「もんじゃ焼き」だった。

あっ、もんじゃ。いいですね!

ぼくは東京・墨田区の下町育ち。町内にはお好み焼き屋が普通にあって、友達どうしで出掛けていくのはいつものこと。でも、お好み焼きは食べない。というか、お好み焼きは高いので、少ない小遣いではなかなか手が出せない。そこで重宝するのがもんじゃ焼きなのです。

原始時代のもんじゃ焼きで育った中学時代

いま月島のもんじゃストリートで食べられる高級もんじゃ焼きと違って、昭和40年代のもんじゃ焼きは、お好み焼き用の粉を薄~く薄~くのばした汁に、これまたお好み焼き用のキャベツの捨てるところ(芯に近い部分)を刻んだものが入ってるだけでした。天かすも紅生姜も入ってない。明太子も切りイカも入ってない。ましてやカマンベールチーズなんて入ってるわけがない。

放課後に中学の仲間と向島のお好み焼き屋に行き、みんなで鉄板を囲む。そこにブチまけられるのは、実にシンプルな原始時代のもんじゃ焼き。だけど、それがこのうえないご馳走だったんですね。ぼくは熱々の料理が大好物なので、鉄板からダイレクトに食べるもんじゃ焼きは、熱さという点でも満足度が高い。

アイデア出しの会議で「野外でのもんじゃ焼き、ぜひやりましょう!」と、即座に賛同しました。日常の食生活にもんじゃ焼きが普通に組み込まれているぼくは、それ以上深く考えることなく、後のことは編集のM嬢にお任せしました。それが、やがて恐ろしい結果につながるとは考えもせず……。

もんじゃは焼く前に味付けを済ませておくもの

「もんじゃ用の材料を用意してきました~!」と、バッグの中からあれこれ取り出すM嬢。薄力粉と、キャベツと、ソースと、水。……それから、えーと、えーと、あれ? これで終わり? 紅生姜は? 切りイカは?

ないんです。そして、なくて当たり前。なぜなら、編集M嬢(うちの娘と同い年)は、これまでもんじゃ焼きというものを食べたことがなかったからです! でも、知らないのならしょうがないよね。これは事前に必要な材料をレクチャーしておかなかったぼくの落ち度。

いや、一度メールで「もんじゃ焼きのために用意しておくものはありますか?」と聞かれていたんです。そのときに、どうせなら「ベビースターもんじゃ」を作ってみようと、ベビースターラーメンだけリクエストしておきました。それはちゃんと購入してくれている。だったら紅生姜も切りイカもなくたって問題なし!

さっそく器に小麦粉を入れ、水で溶いていく。こちとら手慣れたもんだから、分量なんて計らずにちゃっちゃっちゃっとかき混ぜる。キャベツは、スーパーで売ってる千切りのものを、さらに細かく刻んで使いましょう。味付けはソース。

「えーっ、焼く前にソースを入れちゃうの!?」

もんじゃ未体験のM嬢が驚きの声を上げました。無理もありません。お好み焼きは、焼き上がった後にソースを塗りますからね。だけど、もんじゃ焼きは焼く前にソースで味付けしちゃうのです。

で、忘れちゃいけないポイントがここにひとつ。ソースの他に「焼肉のたれ」をちょっとだけ入れてみるのです。そう、アイスのときから焼肉のたれチャレンジは続いているんですね。チャレンジとは言いつつ、もんじゃと焼肉のたれは相性いい気がするのです。

バーベキュー場に出現したバブルスライム

混ぜたときの手応えが、いい感じでゆるゆるになったら完成。いや、まだ焼いてないから完成じゃないか。次は、バーベキューコンロの上に油を塗ったステンレスプレートを置きます。で、これは知ってる人も多いと思いますが、もんじゃ焼きはいきなり鉄板にブチまけるのではなく、まずは最初にキャベツだけを取り出し、リング状に配置して土手を作るのです。

そこに残りの汁を流し込み、ゆっくり火を通していきます。やがて、汁の粘度が高まってきた頃合いでおもむろに土手を崩し、全体を混ぜましょう。わしゃわしゃわしゃー。

「これ……、本当に焼けるんですか?」

M嬢が不安そうな声を上げます。そうねえ、もんじゃ焼きを食べたことがない人には、この見た目は心配になるでしょう。およそ食べ物には見えないし、名前に「焼き」が付いていることが嘘っぽいほどの……言葉を選んで例えるなら「バブルスライム」っぽさ。


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