横浜市には実に47カ所の「市民の森」が設定されています。市民の森は横浜市独自の緑地の保存制度で、緑を守り育てるとともに市民の憩いの場として利用できるように、1971年度からスタートしたものです。その中でも横浜市南部の森は鎌倉市と接することもあり、園内を抜け足を伸ばして鎌倉アルプスへのトレッキングを楽しむハイカーが週末に訪れます。駅からグランドキャニオン経由で行くディープなサウス横浜トレッキングはいかがでしょうか!
富士山とランドマークタワーを望む皆城山展望台へ
今回訪れる「荒井沢市民の森」は、園内にある皆城山展望台からは西に富士山。東に港ヨコハマのアイコンであるランドマークタワーを眺望できます。そしてルートは鎌倉市への案内もあり、静かな森歩きを楽しめます。
荒井沢市民の森へはJR根岸線本郷台駅の利用が便利です。駅前広場を抜け環状4号線鎌倉街道を目指します。横浜市栄図書館のある交差点を渡り、図書館脇を左折して程なくT字路に。せせらぎ緑道と呼ばれる水路のある、穏やかなせせらぎ音が響く栄区公田の住宅街歩道を右手南に進みます。
横浜環状南線と呼ばれる新都市計画道路の大規模工事が行われている公田小学校下交差点を、「荒井沢」方向の指示に従ってせせらぎ緑道と別れを告げます。いよいよディープなサウス横浜です。交差点からは静かな車歩道を伝っていきます。「洗井沢川小川アメニティ」の案内ボードが出てきます。森の名前と川の漢字表示が違う理由は沢が荒れるとよろしくない、ということから荒でなく洗という字があてがわれたそうです。
横浜のグランドキャニオン、そしてトトロの森?
途中には「横浜のグランドキャニオン」と呼ばれた関東ローム層の切り立った崖が車歩道左手に迫ります。タモリさんも喜びそうな数百万年前の新世代第三紀の地層でもあるようです。
ルートは炭焼広場ルートと極楽広場ルートのふたつ。どちら周りでも最後は園内ハイキングルート上で合流しますが、ここではトイレ(簡易式)がある極楽広場周りで進みます。木道を伝い、急登の階段を登り稜線に乗ります。静かな森のハイキングコースは竹ヤブの三叉路にたどり着きます。この竹ヤブの小径がトトロの森を思わせると市民の間で話題となりました。
三叉路を右に折れてトトロの竹ヤブのアーチをくぐった先が皆城山展望台(海抜101m)です。今回訪れた日はあいにくの空模様で富士山は雲隠れでしたが、ランドマークタワーはシルエットを確認することができました。