二番山頂は大菩薩山塊の主軸をなす小金沢山と牛奥ノ雁ヶ腹摺山の2座になります。小金沢山は秀麗富嶽十二景の全20座の中で唯一の標高2000m超え。牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)は日本一長い山名として親しまれ、いずれも低山であってもスケール感の高いイメージを抱えて人気の2座です。その頂から望む富士は、蒼穹に凛々しい十二単をまとった絶世の美女です!
極上の富士山の眺望と林立する立ち枯れの木立の幽玄美
ひらがな読みにしてじつに14文字の日本一長い山名は、漢字にしても8文字が並ぶ牛奥ノ雁ヶ腹摺山です。その山頂からの富士山眺望は、まさに絶景。富士山の雄大さを存分に味わわせてくれます。スケール感は同じ二番山頂の小金沢山を上書きするほどに裾を左右東西に大きく広げて見ることができます。その立ち姿、見惚れます。
そして南側斜面に林立する立ち枯れの木々。この異形なる景観も、また牛奥ノ雁ヶ腹摺山の魅力でもあります。例えば登山当日が小雨やガスに包まれてしまうような眺望に乏しい1日にあって、秀麗な富士山との出会いが叶わなくとも、この立ち枯れの原野が醸し出す幽玄美は、最強のおもてなしでもあると思います。ゴシックでロマンティックな、そしてホラーにも感じる世界観に包まれながらの登下山は、他では味わえない極上のエンターテインメントかと思います。