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何種類くらいの野鳥を探せる? 「葛西臨海公園」で野鳥観察【関東エリア】

楽しい外遊びはソトラバで。アウトドアWEBメディア Soto Lover

漫画のような顔立ちが可愛い【コチドリ】

クロツラヘラサギの次に見たかったのがこのコチドリ。残念ながら今回見ることができませんでしたが、絶対リベンジしようと思ったほど見たい鳥です。チドリ目チドリ科チドリ属。全長が約16cmでコゲラほどの大きさなのに、晩春の頃アフリカ大陸の北部やユーラシア大陸南部でから海を渡って日本で繁殖します。

雌雄はほぼ同色。イカルチドリと似ていますが、目の周りのアイリングが黄色くはっきりとしているのがコチドリです。ただし冬には日本にいないものの、冬毛はこの黄色いリングが細くなるので要注意だそうです。

ムクドリでは……ない!?【コムクドリ】

フィリピン、ボルネオ島北部で冬を越し、千島列島、サハリン南部、日本で繁殖で繁殖するコムクドリ。ムクドリの群れに混じっていることがあるのでムクドリを見かけたらコムクドリも探してみて下さい。見分け方としては頭がムクドリより少し白っぽく、全長24cm程度のムクドリに対し、コムクドリは全長19cmと少し小さめ、オスはチークを入れたような赤茶色の頬をしています。

一方メスは頭から背は黄褐色です。またコムクドリは、別名「桜鳥」と言われるほど桜の実が大好きなので、探す時には桜の木の周囲も注意深く見て下さいね。

お尻をフリフリしながら餌を食べる【イソシギ】

水辺の虫類や小魚などを食べるイソシギは全長20cm程度でハクセキレイと同じくらいの大きさ(尾まで入っているので多少違います)。日本でも全国で繁殖し、1年中見ることができますが、北日本だけは夏に見られる鳥です。

雄雌同色で、水辺でお尻を上下にフリフリしながら歩きます。シギ類は見分けがつけにくいのですが、このお尻フリフリで見分けます。ただし、イソシギという名前とは裏腹に磯より河川で見かけることが多いという情報もあります。

また、同じシギの仲間でクサシギとそっくりですが、イソシギは肩まで白い羽毛が入っているのに対し、クサシギは肩先は白くありません。下のクサシギの写真と見比べて、特徴を覚えると探しやすいと思います。

狙った獲物を急降下でゲット【コアジサシ】

葛西臨海公園で見られる野鳥の中でも人気があるコアジサシは全長28cmほどの夏場に繁殖のために日本にやってくる鳥です。環境省では、絶滅危惧II類(VU)に指定され、IUCNでは低懸念(LC)に指定されるなど、個体数を減らしている鳥でもあります。

鳥は羽を動かし前に進んでいきますが、コアジサシは狩りの時に、水上をまるでホバリングするようにその場で羽を動かし空中に浮かびながら、魚を見つけると急降下で水に突っ込み捕えます。

ヘラのようなクチバシがトレードマーク【クロツラヘラサギ】

ヘラ型のクチバシを持つクロツラヘラサギは、ペリカン目トキ科の70~80cmほどの鳥です。雌雄同色ですがメスはオスよりやや小ぶり、また成鳥になるにつれクチバシにシワが出てきます。アジアの河口や干潟、水田、湿原などに生息する野鳥で、顔に羽毛はなく黒いためクチバシと一体化しているように見えます。同じくヘラ型のクチバシを持つ「ヘラサギ」との見分け方は、顔に毛が生えているのが「ヘラサギ」、毛が無く黒い地肌が見えているのが「クロツラヘラサギ」です。

主に中国や朝鮮半島で繁殖し、日本や台湾に秋から春にかけてやってきます。ICUN(国際自然保護連合)の、野生での絶滅の危険性が高い「EN」にランクされ、個体数や分布数を把握するため、日本、韓国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、フィリピンなど東アジアのNPOやNGOなどの自然保護団体が一斉に報告し集計を行なっているほどです。

ヘラのようなクチバシを半開きにしながら左右に振ってクチバシに当たった魚類や甲殻類などのものをパクッと食べます。採餌の様子をYouTubeで確認すると、挟みにくそうなクチバシなのにあまりに早く食べるので不思議な感じがします。

葛西臨海公園では野生のクロツラヘラサギが見られますが遠くにいることがあり、なかなか観察が難しいです。また採餌の時間以外は寝ていることが多いので、時間を調べていくと良いと思います。

今回も、何種類か野鳥を観察でき、お目当てのクロツラヘラサギが見られたものの、もっと海の鳥などを見たかったというのが本音です。いきなり行ってもなかなか見つけられないので、効率的に野鳥を見るためにはガイドツアーに参加するのも良いかもしれません。もちろん気ままに散歩しながら野鳥を探すのにも最適な場所です。海に吹く風を気持ち良く感じながら是非野鳥を探しに行ってみて下さい。

【データ】
■葛西臨海公園
■江戸川区臨海町六丁目
■常時開園(サービスセンター及び各施設は年末年始休業。葛西臨海水族園やダイヤと花の大観覧車などの園内施設は定休日あり)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/kasairinkai/index.html