おたまじゃくし時代がないカエルもいる?
一般的にカエルといえば、子供時代をおたまじゃくしとして過ごすと思われています。ところが、そのおたまじゃくし時代がないカエルがいると聞いたのですが……。
「おたまじゃくし時代がいないカエルについては、オーストラリアにカモノハシガエルというのがいました。卵はメスの胃の中で育てられ、孵化し、変態した幼体の状態で口から出てきます。ただし、このカエルは絶滅してしまいました」(白輪館長)。
カモノハシガエルの英名は「Southern gastric brooding frog」(南のイブクロコモリガエル)とも言うそうです。絶滅した理由は定かではありませんが、病気が原因ともいわれ、今のところ新たに発見されたという報告はないそうです。
「また、コモリガエルもおたまじゃくし時代が人の目に触れることなく、成体となってから姿を現すカエルです。卵からおたまじゃくしの時代を、メスの背中の皮膚の中で過ごします。そして、皮膚からカエルとして生まれます」(白輪館長)。
【DATA】
コモリガエル
学名 Pipa pipa
分布 南米【DATA】
コモリガエル
学名 Pipa pipa
分布 南米
カエルの世界はまだまだ私たちが知らないことがいっぱいありそう。アウトドアでカエルを見かけたら観察してみてください。ただし、毒のあるカエルもいるので、万一触ったらすぐに手を洗いましょう。
【取材協力】
白輪剛史(しらわ つよし)
プロフィール:レップジャパン代表取締役、体感型動物園iZoo(イズー)園長、体感型カエル館KawaZoo(カワズー)館長、波勝崎Monkey Bay園長、動物園予備校アニマルキーパーズカレッジ校長、一般社団法人日本爬虫類両生類協会代表理事、ジャパンレプタイルズショーを主催。爬虫類両生類研究家として、講演、執筆、メディア出演など多数。■体感型カエル館 KawaZoo(カワズー)
住所:静岡県河津町梨本377-1
URL:https://kawazoo.jp/