寒い冬を越えてもうすぐ訪れる登山のハイシーズン。近年のアウトドアブームも相まって新規ユーザーも増えている登山者。そんなハイカーの重要なギアの1つといえば「ザック」。今回も、ジャック・ウルフスキンのマーケティングセクションマネージャー、宮城さんにザック選びの基本を教えていただいた。第2回はトレンド、サイズ選び編を紹介する。
目まぐるしく変化するアウトドアシーン、登山業界のトレンドは?
アウトドアのマーケットはコロナ禍の影響もあり、メーカーは増え各社が新商品を日々切磋琢磨しながら開発し、ここ数年で大きく進化を遂げた。
さて、最近の登山業界のザック最新トレンドはなんだろう。
まず商品ラインナップが大きく増えたのはUL(ウルトラライトギア)タイプの商品群だ。
ULとは、読んで字のごとく究極に軽い道具を指す。つまり、軽量化を優先的に考えて作られたザックのことを言うのだ。
ポールの取り付け部分など登山ギアに必要な最低限の機能や安全性を持ちながら極力余分なものを取り除いた環境にも優しい商品と言える。
「以前は体への負担を軽減するための機能を突き詰めた商品がほとんどでした。安全性を高めた商品で重量もありますし、現行でももちろんタフで堅牢な商品はありますが、ULでは、様々な体型や登山のスタイル、運動量の多い少ないにかかわらずフィットすることを考えられたモデルが販売されていると思います」(宮城さん)
装備や道具を軽量化することで得られるメリットは、体力の消耗を抑えながらスピーディかつ長時間の山行ができるようになること。ただし、中に収納する荷物も“ちゃんと使うもの”を見極めてパッキングする必要がある。つまり、登山経験が豊富な人向けということや長期間の縦走にはあまり向いていないと言えるだろう。あくまで安全第一ということは忘れないでほしい。