太古の噴火によって形成された神秘の森
トレイルは歩きやすく整備されていて、黄葉がキレイ。このあたりは有機物を含んだ土壌が薄く、厳しい環境でも生育することができる、サワラ、チョウセンゴヨウ、コメツガなどの針葉樹が多いそうですが、ところどころにブナやミズナラなどの広葉樹も見られます。
飛騨山脈(北アルプス)の最南端に位置する乗鞍岳は、太古からの火山活動で次第に形成された山で、約9000年前に起きた最後の噴火で現在の山容になったといわれています。
繰り返し起きた溶岩流によって、広大なすそ野が形成され、時代の異なる溶岩が複雑に分布しています。五色ヶ原の森があるのは、そんな悠久の歴史を秘めた場所なのです。
この地域の自然に精通したガイドさんが、要所要所で植物のことや地質のこと、森の管理のことなど、幅広いお話をしてくださいました。
びっくりしたのは、道の整備は、案内人のみなさんの手作業によるものだということ。コンクリートや擬木などの人工的なものは使わず、現地に元々ある石や倒木を活用しているそう。植物の知識がある人が整備をしているので、保護すべきものと、刈って歩きやすくした方がいいものの判断ができるのだと思います。
ガイドさんからいろいろなお話を聞きながら歩いていくと、やがて神秘的な池のほとりへ。木々に囲まれ、澄んだ水が美しい「雌池」です。
ガイドさんによると、これはとても不思議な池で、雪解けのあと、春から夏にかけては水が消失してしまい、夏から秋にかけての季節は満水になるのだそう。こんなにたくさんある水がなくなってしまうのはなぜなのか……。まさに神秘の森でした。(後編へ続く)
【DATA】
■施設名:乗鞍山麓五色ヶ原の森
■住所:岐阜県高山市丹生川町久手471-3
■ツアー催行期間:5月20日~10月31日
■URL:https://goshikinomori.com/
■施設名:平湯キャンプ場
■住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯768-36
■営業期間:4月中旬~11月15日
■URL:https://www.hirayu-camp.com/
■施設名:ひらゆの森
■住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763-1
■営業期間:通年営業
※2024年2月現在の情報です。最新の情報につきましては各施設にお問い合わせ下さい