旅の本屋「のまど」の店長が、店頭に並ぶ本のなかから、外にでかけてみたくなるキャンプ・アウトドア好きのための本を選びます。今回は、1回あたり予算12万円という限られた予算で世界を旅した物語『12万円で世界を歩く』をご紹介。ガイドなしでヒマラヤトレッキングに挑戦した際の、著者の工夫にも注目です。
ヒマラヤトレッキングでの節約術とは
本書の中には、ヒマラヤのアンナプルナコースをトレッキングする章があります。そこでは予算の関係上、ガイドを付けることができなかったため、カメラマンと二人で盗賊に合わないように背後を気にしつつ、トレッキングルートではなく、山村を結ぶ地元民の生活道を牛糞にまみれながら登ります。
道中の食事は、乾燥ムギやクルミ、トウモロコシや干しブドウが入った安いトレッキングフードで代用。お金がなくなりそうになると、持っている目覚まし時計やビーチサンダル、ズボンなどを売って現金に交換するという、究極に予算と荷物を減らす技を発揮しています。
こういった旅先で物がなかったり、トラブルに巻き込まれたりした際に、自力でアイデアを考えながら、急場をしのぐといった方法は、日常生活やちょっとしたアウトドアライフの中でも非常に役立ちますよね。