日本初の「古典籍の博物館」として、日本の本の歴史や豊かな文化について体験しながら学べるユニークな展示を行っている西尾市岩瀬文庫。ここには重要文化財を含む古典籍から近代の実用書まで、幅広い分野と時代の蔵書8万冊余りが保存・公開されています。
2024年2月12日(月・振替休日)まで企画展「植物への恋文(ラブレター)~本草書から牧野富太郎の手紙まで~」が開催中です。
所蔵する本草書を生かした企画展
「日本の植物分類学の父」と呼ばれた牧野富太郎は、2023年度前期に放送されたNHK連続テレビ小説『らんまん』のモデルとなった人物。
高知県出身の牧野は94歳で亡くなるまでの間、約40万枚にものぼる植物標本を収集し、1500種類を超える植物の新種を発見・命名した近代植物分類学の権威です。
今回の企画展では、牧野富太郎も幼い頃から学んだ「本草学」について紹介。本草学とは古代中国の薬草学を起源とする学問で、日本では自然物のすべてをありのままに記そうという博物誌的な研究へ変容していきました。本展示では岩瀬文庫が所蔵する豊富な本草書を通して、江戸時代以前の本草学から近代の植物学への転換までをたどることができます。