自然に関する不思議を親子で解決してみませんか? 特別企画「ソトラバこども相談室」では、「〝ソト〟の不思議を解決します!」をテーマに、専門家の方々に素朴な疑問をぶつけてみました。「地形編」では、ライターで地形に詳しい西村まさゆきさんにお答え頂きます。
山の中身ってじつは街中にもある
山には森がありますが、森の下は何があるのですか?
「森の下は、土や岩石でできています。森がない山を見ると、岩がむきだしになっているのがわかりますね。火山でできた山は、火成岩と呼ばれる冷えて固まった溶岩や降り積もった火山灰などでできています。茶室の飛び石などに使われている目の細かい石は火成岩です。
また、造山運動でできた山は、石灰岩などでできている場合があります。これは、大昔の海にいたサンゴや貝などがつもってできたもので、その場合は、化石を含んだ岩石となります」
写真は、福岡県にある平尾台のカルスト台地です。ぽつぽつ飛び出しているのはサンゴが化石化したもので、石灰岩でできているそうです。
「ヒマラヤ山脈は山頂付近からアンモナイトやウミユリなどの大量の海の化石がでます。石灰岩の多い山から切り出した石は、建物の材料として使われていることも多いので、そこらへんのビルの壁とかを見ると、化石が入っている石を見かけますよね?」
えっ! そうなんですか? 気づかなかったです!
「ぜひ探してみてください、京橋(きょうばし)の地下鉄や、有楽町イトシアの1階食料品売り場の床にも化石がありますよ。三越(みつこし)や、高島屋などの壁や床なども、注目してみてください。丸の内の新丸ビルのトイレに行くところや、丸の内オアゾのトイレにも使われています。
銀座駅はいい化石が入った柱がふんだんに使われていましたが、建て替えられてステンレスになってしまいました。私としては、面白みがなくなってしまって、少し残念です。
ちなみに、国会議事堂はとても貴重な石が使われていて、貴重な火成岩が見られたり、化石が埋まっていたりします」
山って、都市で暮らしていると少し離れた存在に感じますが、じつは身近に山の中身があったんですね。