自然に関する不思議を親子で解決してみませんか? 特別企画「ソトラバこども相談室」では、「〝ソト〟の不思議を解決します!」をテーマに、専門家の方々に素朴な疑問をぶつけてみました。「地形編」では、ライターで地形に詳しい西村まさゆきさんにお答え頂きます。
山って〝しわ〟でつくられているものもある!
山ができる瞬間ってどんなことが起こっているのですか?
「山のできかたはいろいろありますが、いずれも地球の運動によってできあがります。主に火山の噴火などによってできた山。そして、地面(プレート)が伸びたり縮んだりする『造山運動(ぞうざんうんどう)』による〝しわ〟によってできた山が有名です。
火山の作用によってできた山は、富士山や北海道の昭和新山など、これぞ山! という形をしているものが多いです。地下からマグマが吹き出して、それが溶岩として流れ火山灰と一緒に積もって山ができあがります。
そして、造山運動によってできた〝しわ〟は、アルプス山脈やヒマラヤ山脈のような、横に山が連なるかたちの山脈という形で存在しがちです。
しわができる原因もいろいろあります。地震などの大きな力が加わって地面が割れてずれ、高いところが山になる場合や、地下の溶岩が熱くなって地面が盛り上がって山ができる場合などです」
大きな地球の活動によって地形は変わる!
そうやってできあがった山の高さは、そのあと変わるんですか?
「火山活動によってできた山は、噴火によって山頂が大きくくずれて、高さが変わることがあります。セントヘレンズ山や磐梯山(ばんさいさん)が有名です。
Google earthで見ると、面白いですよ。溶岩が流れて地形が変化したあとに樹海ができている様子や、川がせき止められた様子もわかります。
島原の雲仙岳(うんぜんだけ)なんかもそのひとつで、溶岩が有明海に向かって流れて行き、ぽつぽつと残る島も作り出しています。〝島原大変肥後迷惑(しまばらたいへんひごめいわく)〟という有名な言葉があります。江戸時代にこの火山のふん火によって、島原の対岸の肥後(現在の熊本)が地震や津波の被害にあったときにできた言葉です。