2024年1月1日、能登半島を大地震が襲いました。家屋が倒壊し、多くの人が犠牲となった未曾有の震災はいまだ大きな爪痕を残し続けています。地震大国と言われる日本ですが、震災に襲われる度に避難所での生活では大きな不自由を強いられ、この国の行政が避難者に対して脆弱な対応しかできないことに、歯痒い思いをさせられてしまいます。
避難者たちは公民館や体育館などで救援物資を頼りに受動的な時間を過ごすこととなり、精神的、肉体的にも追い込まれていきます。段ボールを敷いた寝床に薄い毛布、プライベートが保てない空間で家族が肩を寄せ合うことは大きな苦痛を伴うことでしょう。今回の震災では数多くの企業が多くの支援を始め、そのなかにはアウトドブランドも名を連ね、シュラフやダウンウエア、下着などを提供してくれたと報道されました。
災害時に役立つキャンプ&アウトドアの応用術
大震災だけでなく集中豪雨や台風による洪水などを含めれば、ここ数十年で起きた災害は決して少なくはありません。そんな災害の多い日本に住む私たちは、被害に遭った時の自己防衛として自分の身を守る術を身に付けておくことも大切です。震災自体は防ぐことはできませんが、被災後に少しでも役に立つ知識、強く生きることができる方法を学んでおくことは自己防衛にも繋がるはず。
そのスキルを身に付けるために大きく役立つのが「キャンプ」であり、「アウトドア=外で暮らす」という非日常の体験をしておくことは、決して無駄になることはありません。また、キャンプ道具は非常時の生活を格段に向上させ、被災時のリスクヘッジにも貢献してくれるのです。
家族や知人への支援物資はリクエストを聞くことも大切
被災時に届く支援物資は本当にありがいものですが、その多くは基本的な食料やインスタント食品が多く、長時間の避難生活では最低限の栄養補給になってしまいます。私は東日本大震災で避難生活を送る親戚に支援物資を送った経験があるのですが、その時に送って欲しいと言われたものが「調味料」でした。
日本全国から届いた支援物資は十分にあっても調理をする道具が乏しく、支援物資をいただくにしても味気ない食事が辛いと……。近所のスーパーに駆け込み、支援物資として生活用品とともに醤油や味噌、マヨネーズ、ケチャップ、レトルトソース、ドレッシングを購入して大量に送ったことは言うまでもありません。
避難生活でプライベート空間が確保できるキャンプ用品
もしも災害に見舞われた時、テントやシュラフ、焚き火台などのキャンプ道具が大きな味方になってくれます。テントを張ればプライベートな空間が確保でき、マットやコット、シュラフを使うことで避難生活における睡眠の質は大きく上がるはずです。
もちろん、アウトドア用のガスコンロやホワイトガソリンを使った器具は、燃料の枯渇などの問題はありますが、焚き火台を持っていれば薪の代わりに瓦礫を使うことで暖かい食事をつくることができ、必要最低限の「焼く・煮る・炒める」調理が行えます。また、水さえ確保できればお湯を沸かすことができ、入浴できない日が続いても体を拭くこともできるのです。太陽光発電で充電できるポータブル電源があればスマホの充電が可能となり、外からの情報を得ることで精神的な不安を軽減してくれます。