約3億5000年前の海の世界、その記憶を現代に伝える魚がシーラカンスです。もともとは川や湖にもいたそうですが、今は深海にのみ生息しています。光のない深海で命をつないできたシーラカンスですが、貴重な剥製と冷凍標本を沼津港深海水族館シーラカンス・ミュージアムで見られます。
謎多き神秘の魚・シーラカンスについて沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアムの展示解説員・山口真由さんにうかがいました。
約3億5000年前からの姿を今にとどめる神秘の魚
シーラカンスは生きた化石とも言われ約3億5000万年前から存在していると言われています。
「シーラカンスは、一度は絶滅したと思われていました。しかし、1938年に再び発見され、現在、アフリカのコモロ諸島やインドネシアで確認されています。一度絶えたと思われた生きた化石が現代に存在しているということに、ロマンを感じます」(山口さん)。
かつては高額の懸賞金が出るなどその希少性から、幸運を呼ぶ魚とも言われていたそうですが、現在は捕獲禁止となっています。
「たまたま、釣り上げられたのがアフリカとインドネシアですが、日本にも駿河湾のような深海があり、深海の世界はまだまだ分からないこともあるので、あくまでも想像ですが、もしかしたら日本の近くにもいるかもしれないですよね」(山口さん)。