温暖な気候のしまなみ海道はミカンやレモン、はっさくなどの柑橘が特産。サイクリングロード沿道の斜面に広がる果樹園は、まさに瀬戸内の島を象徴する風景といえます。ミカンの島の因島からレモンアイランドの生口島へ、フレッシュなサイクリングを楽しんでみましょう。
サイクリングのスタートは季節の花々に包まれて
まずはミカンとはっさくの栽培が盛んな因島へ、尾道港からスタート。瀬戸内クルージングの旅客船は自転車の持ち込みがOKで、レンタサイクルを利用する場合は尾道港そばのサイクリングターミナルで借りていくと便利です。出航すると尾道水道を航行、岩子島を回り込んだ先には布刈瀬戸に架かる吊り橋・因島大橋が臨めます。
因島の重井東港に到着したら、県道366号をやや南下。畑とビニールハウスが連なる中に続く斜面を登っていくと、丘の上にある因島フラワーセンターへ到着します。標高226mの白滝山の登り口にある植物園で、1.8haの広大な敷地に9万5000本もの植物が栽培されています。
前庭の斜面に広がる花壇には、四季を通じて様々な花が見ごろを迎えます。12〜1月にかけてはビオラやハボタン、キンギョソウ、ガーデンシクラメンなどが織りなす、色とりどりのグラデーションが見事。併設の大温室にはバナナやマンゴー、スターフルーツなどのトロピカルフルーツ、ブーゲンビリアにトックリヤシなど熱帯植物が集められています。
ミカン畑とはっさく畑が続く風景の中を走る
因島フラワーセンターから斜面を下り、重井川を渡って小さな峠を上っていきます。途中で分岐する道は馬神城跡方面へ続く尾根道で、視界がパッと開けると眼下に港を囲むように、小ぢんまりした集落が。重井は重厚な古民家が密集する、瀬戸内の島の集落らしい景観。周囲は斜面になっていて、一面にみかん畑が広がっています。付近は市の花でもある除虫菊の畑で、4〜5月には白い可憐な花が咲き乱れます。
重井からは因島の西岸を沿って走り、左手に迫る斜面にはミカンやはっさくなど、柑橘の果樹園が点在しています。はっさくは19世紀後半に、浄土寺の住職が栽培したのが始まりとされる、因島が発祥の果物。人気のはっさく大福をはじめ、はっさくを素材にした様々なスイーツも販売されています。
「JA尾道市はっさくゼリーセンター」のはっさくゼリーは、ほどよい酸味とゼリーのまろやかさがバランスよく、おみやげにもってこい。とぼけた表情のキャラ「はっさくボーイ」のイラストは、JAの職員が描いたとも。