レモンの谷を駆け抜けて海の上を快走
1日目のラストスパートは、大三島を結ぶ多々羅大橋へのアプローチ。生口島は国産レモン発祥の地としても知られ、「レモン谷」と呼ばれるレモン畑を見下ろしながら、ゆるやかに上っていきます。多々羅大橋は橋長1480m、海面からの高さ48m。サイクリングコースでは最長の斜張橋で、橋から見る瀬戸内海はスケールの大きな眺め。途中に記された県境を越えて、広島県から愛媛県へと入っていきます。
4島目の大三島に入ったら、1日目は終了。多々羅大橋を渡ったところの上浦町に宿泊施設が集まっており、近海でとれた魚介を味わえる料理旅館も。地元の味覚に舌鼓を打ちつつ、ゆっくりと疲れを癒しましょう。
記念撮影がマストなサイクリストの聖地
2日目は多々羅大橋のたもとにある、多々羅しまなみ公園からスタートです。園内からは白鳥が並ぶ姿に例えられる多々羅大橋が臨め、自転車にまつわるイベントを記念した「サイクリストの聖地碑」も。サドルをイメージしたデザインで、しまなみ海道を走るサイクリストの記念撮影スポットになっています。
島の東岸を南下していくと伯方島が対岸に迫り、鼻栗瀬戸を渡る大三島橋へのアプローチへと入ります。橋長328m、海面からの高さ41mで、しまなみ海道で最初に完成した橋。唯一のアーチ橋でもあり、鼻栗瀬戸の迫力ある急流を直下に見下ろせます。製塩で有名な5島目の伯方島はわずか3㎞ほどの経由ながら、しまなみ造船のドックや伯方ビーチの白砂の浜など、沿道の風景は変化に富んでいます。
水軍が躍動した早潮を眺め大島を峠越えで横断
伯方・大島大橋は、伯方橋と大島大橋の総称。大島大橋は橋長840m、海面からの高さ39mの吊り橋で、途中の見近島では浜に面したキャンプ場を見下ろせます。6島目の大島へ入ると、早潮の宮窪瀬戸に沿って走行。あたりは村上水軍の一派・能島村上水軍の拠点で、瀬戸に浮かぶ能島や村上海賊ミュージアムなど、ゆかりの見どころも集まっています。
宮窪港を後にして、道中で最大の難所・宮窪峠へ。ほぼ海岸線をゆく行程の中で唯一、島の内陸部を横断する個所で、標高79mの峠へ向けて上りが続いていきます。途中で自転車を押しつつ峠にたどり着いたら、ベンチでひと休み。その先はダウンヒルを経て島の中心街の吉海を通り、小さな上りを経て下田水港へ。前方には最後に渡る、来島海峡大橋の吊り橋が続いています。
優美な吊り橋を飛ぶように渡ったらゴールは間近
来島海峡大橋は三連の吊り橋で、総延長は4.1㎞、海面からの高さは最も高い第三大橋で78mある、スケールの大きい橋梁です。大島の峠越えを繰り返した後につらいですが、最後の力をふり絞りひと上り。
橋上からの眺めはその労力に値する素晴らしさで、毛無島や武志島、中渡島などを見下ろしながらの走行は、まるで海上を飛んでいるかのよう。来島海峡は日本三大急潮の一つに数えられ、船舶がゆっくりと行き交う様子も見られます。
橋を渡り終えると、いよいよ四国へ上陸。付近には橋と海峡を一望する糸山展望台や、来島海峡展望館などの施設が集まっています。6㎞ほど市街を走れば、今治駅へ到着。ゲストハウス「シクロの家」のそばにある、しまなみ海道0キロ地点の看板とともに記念撮影したら、全行程を走破してゴールした実感に浸れます。
【移動チャート】
尾道駅 → 5分★ → 向島・富浜 → 30分 → 因島大橋 → 20分 → はっさく屋 → 1分 → 因島アメニティ公園 → 40分 → 生口島橋 → 40分 → しおまち商店街 → 15分 → 瀬戸田サンセットビーチ → 5分 → レモン谷・多々羅大橋 → 20分 → 多々羅しまなみ公園 → 30分 →大三島橋 → 20分 → 伯方・大島大橋 → 80分 → 来島海峡大橋 → 35分 → サンライズ糸山 → 35分 → 今治駅
※「★」は船での移動
■制作協力:シクロツーリズムしまなみ
【データ】
■はっさく屋
https://0845.boo.jp/hassaku/index.html
■多々羅しまなみ公園
https://imabari-shimanami.jp/tatara/
■サンライズ糸山