2023年は12月を迎えても比較的過ごしやすい暖かい日が続き、このまま春になるのではないか? と思うほどでしたが、ここ最近は気温がグングン下がりはじめ、本格的な冬が到来。緊張感のある冷たい空気は冬キャンプの楽しみでもありますが、ここで悩むのが「車中泊」をするべきか「テント泊」を楽しむべきかと言う問題です。
もちろんキャンプの楽しみ方は十人十色ですから「これが正解」と言うものはありません。でも「これからキャンプを始めたい」「キャンプを始めたばかりで今年の冬が初めての冬キャンプ」と言う人に向けて、ここでは少しばかりのアドバイスをお届けしたいと思います。
防犯性と快適さが魅力の車中泊
「車中泊」のメリットは防犯性の高さとテントの設営・撤収の手間がかからないこと。クルマという鉄製のボディは防犯面では「テント泊」より安心感が断然高まります。また、夏のキャンプでは必要に応じて窓を開ける必要がありますが、窓を閉め切る冬のキャンプでは施錠することで、防犯性はさらに高まります。とくに女性キャンパーにとってクルマでの車中泊は安心できるシェルターになってくれます。
キャンプにおいて「テント泊」が主たる目的ではない場合、設営の手間がかからない「車中泊」は気軽にキャンプが楽しめるのも大きなメリット。1泊2日程度のキャンプであれば、テントの設営・撤収は時間的なロスが足枷となり、とくに初心者の場合はより多くの時間が準備に割かれてしまいます。時間的な余裕が欲しいのであれば、手軽な「車中泊」は大きな魅力になるはずです。
また、キャンプ初心者にありがちなのが「車中泊はクルマのなかだから暖かい」という間違ったイメージ。冬の「車中泊」ではスチール製のボディは冷気によりキンキンに冷え、密閉性が高いもののテント内との温度差はそれほど大きくはないので注意して下さい。もちろん、フル装備のキャンピングカーであればFFヒーターなどの装備があれば、車内ではTシャツ1枚で過ごせるほど快適です。
テント泊はキャンプの特別感が演出できる
「車中泊」は宿泊と仮眠の目的の違いで考え方が大きく変わります。キャンプをしているという充実感を味わいたいのであれば、「テント泊」に軍配が挙がります。シュラフとマットがあれば最低限の「車中泊」はできますが、簡易的な装備では仮眠感が濃厚に漂ってしまうため、「車中泊」を好むベテランたちは車内に装飾を施し、特別感が味わえるキャンプ道具を持ち込むことで、自分ならではの世界観を演出している人も多いのです。
一方「テント泊」のメリットは「キャンプをしている」と言う充実感が味わえること。「テント泊」はサバイバルな雰囲気が楽しめ、非日常の特別感は大きな魅力になるはずです。自分だけの秘密基地、雄大な自然と向き合う緊張感はキャンプの魅力であり、薄い布一枚を隔てて自然のなかで就寝する特別感は格別です。設営するときに風向きや天候を考えてテントの向きを決め、組み上げたテントのなかにキャンプ道具を配置する楽しさは、引っ越しをして新たな生活を始める時のワクワク感と似ています。