さまざまなアウトドアアクティビティを楽しみながら、自然界から学びを得られる年4回の体験型プログラム、「JACK WOLFSKIN DISCOVERY CLUB 2023」の最終回が、11月19日(日)に開催されましたので実際に参加してきました。主催は、ドイツ生まれの総合アウトドアブランド、Jack Wolfskin(ジャック・ウルフスキン)です。
既に3回開催された同イベントは、ブランド名にちなみ、舞台はオオカミの聖地・御岳山。最終回のテーマは〝環境保全とトレイル整備〟。
前編では、登山道に関して講師である地元の猟師さんと御岳山の宿坊「藤本荘」の御師、片柳さんから受講。後編では、実際にフィールドワークしながらトレイルメンテナンスについての知識を深めていきます。
ペットも参拝する武蔵御嶽神社で安全祈願
それでは最初の目的地、長尾平に向けて出発です。
地元の猟師さんを先頭に歩き出すと、現地で採れた大根が天日干しされているではありませんか。御岳の高原では野菜のなかでも、とくに大根とじゃがいもなどの根菜類がよく育ち、味が良いと有名だそうです。土と水の相性って大切ですよね。
最初の通過点、武蔵御嶽神社に向かう途中では売店が連なる通り「鳥居前通り」があります。この日は紅葉シーズンの休日ということもあり、多くの観光客で賑わいを見せていました。売店の目の前を通るそばつゆのいい匂いが立ち込めていました。
そこからしばらく歩くと武蔵御嶽神社に到着。オオカミ信仰の歴史が詰まった感じられる由緒正しい神社です。少しだけ立ち寄り、登山の安全祈願を行います。
御岳山は、国内外のペット愛好家から評判でペット連れの参拝客が非常に多い山。ペットの健康祈願を祈るお祓いの実施や、ケーブルカーではペット乗車券も販売されていて、年間8000頭ものペットが参拝されているそうです。
更に歩き進めていき、休憩場所の長尾平に到着。
この日はランチをここでとることになりました。下界の景色が一望できる場所では多くの方がランチ休憩を楽しんでいました。
この日の昼食はゴミが少なくさくっと食べられるおにぎりとゆで卵。昼以降にも山行がある予定の方は短時間で済ませられるものがオススメです。
登山道整備だけでなくナラ枯れ対策も
ランチ休憩を取り、体力を取り戻し午後の山行に出発。すると早速、地元の猟師さんが足を止めました。
どうやら「ナラ枯れ」の被害現場のようです。
ナラ枯れとは、カシノナガキクイムシがナラ類やシイ、カシなどの樹木に潜入し、ナラ菌が樹体に感染し、枯死してしまう伝染病で多くの山で問題になっています。樹木が大きな状態で枯死すると倒木の危険性があり、山だけでなくキャンプ場などでも事故が多く起こっています。
伐採はナラ枯れの進行度によって優先順位をつけてしているそう。自然保護の観点から見て出来るだけ避けたいところではありますが、苦渋の選択であると聞き、行き場のない気持ちと安全に山行が出来るように整備してくれている人たちに尊敬の念を抱きました。
樹木にナンバリングされているのは、1本1本地元の方によって管理されているからだそうです。登山道の整備だけに限らず、樹木の管理まで。山の安全を保持することの細かさ、大変さが分かります。