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姫乃たまの「おそとで生きるもん!」 vol.20 島根の超軟水で仕込むフレッシュな地酒・吉田酒造「月山」は日本酒デビューにぴったり!

楽しい外遊びはソトラバで。アウトドアWEBメディア Soto Lover

  • 姫乃たま おそとで生きるもん 里咲りさ どじょう どじょうの蒲焼き 地酒 日本酒 吉田酒造 月山 島根県安来市
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今日は島根県安来市でどじょうすくいをして、地元の矢田醤油店で蒲焼きに使うお醤油を買ってきました。そうしたら今夜絶対必要になるのが……そう、地酒です!

島根県安来市の観光名所に、月山があります。かつて難攻不落で知られる富田城があった山で、この藩では、その年に仕上がった最高のお酒に「月山」と名付けて殿様に献上していました。その歴史的背景を引き継いで、いま月山という名の日本酒を造っているのが、創業300年の吉田酒造です。

吉田酒造の歴史を感じる酒蔵の中では、最新の機械が稼働しています。

日本一の軟水で造る月山は、フレッシュさにとことんこだわり、初めて日本酒を飲む人にも喜ばれる一本です。

今日は5代目の吉田智則社長に案内していただいて、一緒に蔵の中を巡ってみましょう!

一緒に島根を旅してる里咲りさ社長(通称・しゃちょー)は、吉田社長を見て「社長仲間だ!」と小さな声ではしゃいでいる様子です。

フレッシュなお酒づくりの秘訣とは?

吉田酒造の裏手からは月山が望めます。この素晴らしいロケーションで、かつて殿様に献上していたような最高のお酒を造ろうと、吉田酒造の皆さんは日々汗を流しています。

最高の日本酒を追求する吉田酒造が造る月山の特徴は、とにかくフレッシュです。その理由は、とにかく飲みやすいお酒づくりを目指したから。

吉田酒造の社長は海外を旅していた時期があるらしく、帰国した当時、まだ日本酒に馴染みがありませんでした。そのため、自分のように日本酒初心者でも飲みやすいお酒をと考え、今では初めて飲む人にも「飲みやすい!」と感動されるお酒が仕上がるようになったのです。

フレッシュなお酒の秘訣は、硬度0.3の〝超軟水〟。

日本の水はもともと軟水ですが、吉田酒造から1kmほど離れたところで湧いている軟水ほど軟らかい水はなかなかありません。

吉田社長が知る限り、吉田酒造は日本で一番、硬度が低い水で酒造をしているそうです。

それもそのはず。ミネラルが豊富に含まれていて酵母菌の活動を活発にする硬水は、灘地方ではかつて「神の水」と呼ばれていて、「誰が仕込んでもおいしい日本酒が仕上がる」とされていました。

一方で、ミネラルが少なく、米からの栄養でしか仕上げることのできない軟水の酒造りは困難です。しかし、日本人が軟水を飲み慣れていることと、米本来の旨味や香りを引き出せることから、吉田酒造では超軟水での酒造りに取り組んでいます。

仕込みが難しい軟水ではありますが、硬水とは違って、仕込んでから寝かさなくてもすぐに飲み頃が訪れるので、フレッシュなお酒を出荷することができるのです。

最新の機械と手間暇かけた〝最高の酒造り〟

蔵の中へ足を踏み入れると、入口の趣きある雰囲気とは異なって、昨年10月に大改装したばかりの最新の機械たちが稼働しています。

やはり会社の見学をするとテンションが上がるのか、しゃちょーが歓声を上げています。私もここでおいしいお酒が作られているのかと思うと、胸に込み上げてくるものがありました……。

最初に圧倒されるのは、高さ8メートルもある精米の機械。天井はもっともっと高いので、見上げると首が痛くなります。

吉田酒造では雑味をなくすために、お米をとことん削って磨きあげています。大吟醸では、なんと1トンあった玄米でも、最終的にお酒になるお米はわずか100~200kg弱ほど。精米後のお米は粒が小さくなって、見たことがないくらい真っ白です。ちなみにお米を磨いて出てきた糠も肥料になったり、他の酒造会社で焼酎になったりと、無駄がありません。

こうして磨きあげたお米を蒸してから、麹をつくり、酒母を仕込むのですが、吉田酒造ではこの過程をまるまる冷蔵になっている部屋で行っています。

我々も使い捨て帽子をかぶって見学させてもらいました! 使い捨て帽子、なんか照れるんですよね。へへへ。

多くの酒造では、その酒造の最もよいお酒を厳寒の時期に仕込むそうですが、吉田酒造では全てのお酒に対してそうしているのです。そのことによって、高温の部屋よりもじっくり酵母菌が働いて、月山の特徴であるフレッシュな味わいにつながっていきます。

タンクの中で諸味が発酵している様子をみせていただいたのですが、これが本当に感動する光景! 雪景色のように真っ白な諸味がとてもきれいで、私もしゃちょーも月山が飲みたくて仕方なくなりました。

仕込んだ諸味を濾過して絞る作業も、巨大な冷蔵室の中です。

これは布が高温多湿でカビないようにするため。湿度があると、使用する布がすぐに真っ黒になるほどカビてしまうそうなのですが、じつはそれは珍しくないとのこと。

カビから発生する香りは悪い香りではないので気づかない人が多いそうなのですが、たとえば吉田社長が居酒屋で日本酒を10種類頼むと、3、4種類ほどからはカビの匂いがするのがわかるのだとか。それほどよくある香りなんですね。いままで全然気づかないで飲んでた……。

しかし、月山では酒造り以外の要因でついてしまった香りをオフフレーバ―だと捉えているので、そうした香りをつけないために、こうして冷蔵庫の中で諸味を絞っています。

さらにすごいのが、瓶詰めの機械。

中でも特徴的なのが、ノズルが伸びて、瓶の下からじっくり充填してくれる機械です。

以前は瓶詰めの際に、ボトルの上から注いでいたそうですが、下から充填することで無駄に新酒が空気と触れることを防ぎ、搾りたての少しぴりぴりした炭酸ガスが残るほどフレッシュなまま注ぐことができて、香りも飛ばないと言います。

大きな機械なので、工場内は壮観です。

また、多くの酒造が日本酒をタンクで貯蔵していますが、吉田酒造は瓶で貯蔵しています。ひとつのタンクを瓶で貯蔵しようとすると、だいたい4万5000本ほどの瓶が必要になるので、とにかくスペースが必要です。

しかし、タンクで熱処理をすると、量が多いので一週間くらい温度が下がらず、せっかくの新酒が過剰に熟成されてしまいます。フレッシュさを大切にしている吉田酒造では、瓶詰めした状態で熱処理をすることで、すぐに冷ませるようにしています。吉田酒造さんは、新鮮さを保つために、あらゆる工程で様々な工夫をされているのです。

精米から貯蔵まで、全てを惜しまずに酒造りをされていて感動しました……。

 

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