ヒキガエルから得たもうひとつの毒
ヤマカガシの変わった点は、もうひとつ防御用の毒をもっているところです。
「首元の頸腺に外敵に対する防御用の毒があり、首の後ろを叩いたりすると飛び散り、眼に入る事故につながる可能性があります。頻発するようなものではありませんが、注意しておくとよいでしょう。」(西海さん)
ヤマカガシはほかのヘビがあまり食べないヒキガエルを好んで食べ、その毒「ブフォトキシン」をためて使用しているとのこと。
「これまでに失明や重症化の報告はありませんが、もしヤマカガシにちょっかいを出していて目に刺激を感じたら、水で洗って病院へ行ってください」(西海さん)
2つの毒を攻防に用いるヤマカガシ。もし出会ったらそっと見守りつつ、彼らの不思議な生態に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
【取材協力】
■一般社団法人セルズ環境教育デザイン研究所