五ノ池小屋のほっこりおいしい食事メニュー
そしてこの日は、山上エリアの北側にある「五ノ池小屋」に宿泊しました。
眺めのいい五ノ池のほとりに建つ小屋のテラス席で、夕陽を眺めてゆったりするつもりだったのですが……。
夕方からは、雨模様どころではない大荒れの天気。視界がほぼない深い霧と横殴りの風雨で、外に出られるような状況ではない。なんでやねん。
でも、小屋には薪ストーブがあって、室内はポカポカ。炎のゆらめきを眺めながら、暖かい時間を過ごすことができたのでした。
宿泊者への食事の提供以外のアイドルタイムには、「雲上の薪ストーブカフェ ぱんだ屋」が開店。手作りスイーツなどがいただけます。薪ストーブで焼き上げるアップルパイは、一度食べてみたかったもの。ドリンクは、コーヒーや紅茶のほか、ホットワインなどもあって、ほっこり暖まります。
食事のクオリティが高いことでも知られている五ノ池小屋。まるでカフェごはんのような彩りも美しい夕食は、無駄に5時間も歩いた人にとっては、得も言われぬ美味しさでした。
また、夕食後のくつろぎタイムに、名物のピザが配られました。薪ストーブで焼き上げる熱々ピザは、食後でおなかがいっぱいでもぺろりと食べられる逸品。パリッとした焼き上がりは薪ストーブならではです。
もちろん、朝ごはんも、シンプルながらこだわり抜いた食材ばかり。土鍋で炊き上げた炊き立てご飯は、こんがり香ばしいおこげがあって幸せな気分に。お味噌汁もとても美味しくて、ついおかわりをしてしまいました。
下山の日は、2014年の御嶽噴火からちょうど9年目となる9月27日。おんたけロープウェイの鹿ノ瀬駅には、山が見える部屋の窓辺に献花台が設けられていました。同じフロアには、「火山への登山の備え」と題したパネルや、現在設置されている火山活動の監視システムに関する解説などがあり、火山について学ぶことができます。
日本には、活火山が現在111座あって、いつ噴火するかわかりません。
地震もそうですが、活動期に入っているとも言われているいま、起こりえる天災をやみくもに恐れるのではなく、警戒を怠らず、できる限りの備えをした上で暮らしていくしかないわけです。
登山というのは、リスクのある活動ではありますが、自然環境の中で過ごすスキルは、大規模災害のようなときにも、おそらく役立つものです。
「危ないことには近寄らない」というのも、ひとつの考え方ですが、「リスクを知って、それをかわす知恵やスキルを身につけておく」ことは、もしかすると、いつ起こるかわからない天災に対するリスクヘッジにつながるのではないでしょうか。
御嶽山は、非常に魅力ある山です。これからも、機会があればまた、登りに行きたいと思っています。
■五ノ池小屋
■御嶽ロープウェイ
※2023年11月現在の情報です。最新の情報につきましては各施設にお問い合わせ下さい