2014年の噴火から9年目の秋、十数年ぶりに来てみた御嶽山。おんたけロープウェイで登ってきた初日(前編)は、絶好の秋晴れで、高山に特有の楽園のような美しい風景が楽しめました。
多くの人が日帰りで登るこの山で、あえて宿泊したのは、泊まってみたい山小屋があったことと、北西側にある濁河温泉に行ってみたかったからです。
深山幽谷に湧く「濁河温泉」と飛騨小坂口登山道
濁河温泉は、御嶽山の北西側にある標高1800mの秘湯。1955年に車道が開通し、クルマでアクセスできるようになったものの、道も狭く、現在バス便は廃止されたままです。運転が苦手な人には、かなりハードルの高い温泉地なのですが、鉄分を含んだ濃厚な濁り湯は温泉ファンには垂涎で、一度入ってみたかったのです。
今回の御嶽山行のプランニングをしているときに、地図を眺めていて、「ん? 五ノ池からなら降りて登っても5時間くらい。じゃ、山上から往復すればええやん!」というわけで、山上からいったん下って、温泉に入って、また登り返し! な計画にしたのでした。
事前にHP等で、日帰り入浴ができる施設の定休日の確認はしてました。が……。
は? 臨時休業!? 聞いてないっ!! なんでやねん……。 2時間かけて下ってきたんですけど!
けれど、どうしようもない。お宿もみんな閉まってる。雨中渋々、3時間かけて登り返すしかありません。その徒労感たるや、ハンパない。けど、いい運動にはなりました(?)。
傾斜の強いエリアを登っていると、上の方にまるでサメの頭のような形の岩が。「ジョーズ岩」と呼ばれているようです。たしかに似てるかも。
登山道には番号が書かれた看板が取り付けられていて、位置がわかるようになっています。深い樹林帯から、灌木帯になり、森林限界まで登ると、背の低い植物しか分布しないエリアになります。
森林限界より上は、地表を這うように枝を伸ばすハイマツがメイン。御嶽山は独立峰なので、年間を通じて風が強く、とくに冬場は季節風が強く吹き付けるため、背の高い植物は育つことができないのです。
ハイマツ帯まで来ると山頂部まではあと少し。下部の森もきれいだし、変化に富んだいい登山道でした。来年はきっと濁河温泉に入りに来るぞ。