キャンパーそれぞれの独自視点から、オススメのキャンプ場を紹介するリレー連載企画。神戸でアウトドアカフェ「Rokko Beaver’s Nest」を経営する、松田聖子さんの第3回目は、志賀高原にある熊の湯キャンプ場、愛称「くまキャン」。
冬はスキー場で、雪のない夏場のみキャンプ場として利用できるようになる施設です。一般的なキャンプ専用施設のような便利な設備は何もありませんが、「なにもないのがいい」のだとか。
涼しい〝超高原〟でゆったり広々自由に楽しめるのが魅力
標高約1700m、夏でも朝晩は寒いくらいの山の中。スキー場として利用されている場所なので、とにかく広くて、自由に過ごすことができるのが特徴です。
「気に入った場所をみつけてテントを張って、ゆったり過ごせるのが何よりいいですね。トイレや水場が少し遠かったりもするのですが、その分静かで落ち着けます。キャンプデビューのビギナーさんがいるときなら、設備の整った高規格サイトがいいかもしれませんが、キャンプ慣れしてる人なら、多少不便でも、自然の中にいる感じがより楽しめるのがいいと思います」と松田さん。
空が広くて、周りに市街地が一切ないので、晴れると星空がとてもきれいだそうです。
熊の湯キャンプ場の利用者は、お得な価格で何度でも温泉に入ることができます。
※2023年度は1000円(通常の外来入浴は1200円)。清掃時間及びメンテナンス・貸切利用などの期間を除き、何度でも入浴できる
「ちょっと珍しい翡翠色のお湯で、フレッシュで贅沢なかけ流し。お肌がつるつるになる感じの気持ちのいいお湯で、滞在中、何度も入れます」
桧造りの内風呂も、野趣あふれる露天風呂もどちらもステキだそうです。
志賀高原を代表する「池巡り」コースでハイキング
熊の湯からすぐの「前山リフト」に乗れば、わずか5分で「池めぐりコース」の入口。前山湿原から、渋池、四十八池などを巡るこのハイキング道は、志賀高原を代表する人気コースだそうです。標高2035mの志賀山、すぐ隣にある2040mの裏志賀山に登り、エメラルドグリーンの湖面に鳥居が立つ大沼池まで足を延ばせば、さらに充実した山歩きが楽しめるとか。
「標高が高いので、夏でも涼しいのが何よりですね。志賀高原らしい風景が広がっていて、とても好きなエリアなんです」
裏志賀山あたりからは、北東側に神秘的な大沼池が見下ろせます。
大沼池は、志賀高原にある池の中で一番大きく、周囲約5km。静かな湖面に、丹塗りの鳥居が印象的ですが、これは黒姫山の名前の由来となった「黒姫伝説」に登場する大蛇を祀ったものだそうです。
独特の美しさをたたえた高層湿原ですが、このような標高の高い山の上に池がたくさんあるのは、火山活動に由来しているとか。温泉が湧いているのも火山の証。