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どれもが樹齢1000年以上! 怒涛の屋久杉ラッシュ 屋久島・縄文杉を見に行く10時間トレッキング【vol.02 中編】

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自然の宝庫である屋久島の超有名観光スポット・縄文杉。その雄大な姿をひと目見るため、前編では、登山初心者の筆者と友人二人は10時間の登山を開始し、真っ暗な道を歩いていました。今回は、登山開始から約1時間半、ようやく日が昇ったところからのスタートです。

果てしないトロッコ道でも意外と飽きないワケ

午前6時頃に日が昇り、ようやく自然光のみでも歩けるくらいの明るさになってきました。20分ほど経ちだんだんと周りが見えてくると、自分たちがどんな道を歩いていたのかもわかってきます。あたりを見渡すと、そこはトロッコ道でした。鉄の線路に枕木が敷かれています。屋久島はかつて木材を運び出す森林軌道が運営されていたので、その上を歩いていたのです。

どこまでも続きそうなトロッコ道は果てしなく、ガイドさんに「ここから縄文杉まで、4時間ほど歩きます」と言われ、筆者たちは絶望を顔に浮かべました。

そもそも10時間の登山であることはわかっていましたが、この道を4時間ともなると、飽きてきそうだと心配になります。

携帯を開けば、すでに圏外になっていました。「インスタが見られない!」と友人は発狂。筆者はTwitter(現・X)が開けず発狂。筆者たちは自分たちで申し込んだツアーにもかかわらず、渋々歩き始めました。

「見て下さい。あの杉は、下の幹の中が空洞になっています。あっちの杉は、元々一本だったところを途中から二本の木が生えています」

ところが、飽きそうだという考えはすぐになくなりました。ガイドさんは筆者たちが携帯など見る暇もなく、森の解説を丁寧にしてくれたからです。

同じ景色に見えた森も、ガイドさんの解説を聞いているとそれぞれの木々がどれも違う顔を持っていることがわかります。

ガイドさんは、説明するたびに「あの杉は」「この杉は」と言います。もしかして、屋久島に生えている杉はすべて屋久杉なのではないかと思い始めました。ガイドさんに聞いてみると、屋久杉には定義があるとのこと。

屋久島に生えている杉のうち、樹齢1000年以上のものを〝屋久杉〟と呼び、樹齢1000年未満の杉は〝小杉〟と呼ばれるそう。屋久杉のなかでも、推定樹齢2000~7200年ほどのスギが〝縄文杉〟なのです。

最大の難関? 足元が隙間だらけのトロッコ橋

ひたすらトロッコ道を歩いていると、ふいに視界が開けました。目の前には、橋があります。「小杉谷橋」です。ガイドさんによると、長いトロッコ道に飽きてきた頃、ここが気分転換になるとのこと。

吊り橋ではなく木組の橋は、トロッコも通れるように頑丈な作りなのですが、かなり大きな隙間が空いています。筆者はこういう場所は平気なので、普通の道と同じように渡りました。大きな岩がゴロゴロ転がり、その間を清流が流れています。

気持ちのいい水の流れる音を聞きながら渡っていると、後ろから友人の叫び声が聞こえます。高所で足場も隙間が多く、怖く感じるのもわかりますが、こんなところで立ち止まってはいられません。筆者とガイドさんは一度渡った橋を戻って友人2人の手を引き、なんとか渡ってもらいました。

ガイドさんによると、本当に怖くて渡れず、登山を断念して引き返す人もいるほどだそう。筆者は、ここまで来たら絶対に縄文杉を見るぞという意志をもって、友人を鼓舞しながら引っ張りました。


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