「屋久島は『もののけ姫』の舞台になった場所らしいよ」という、友人の発言から始まった〝屋久島10時間登山の旅〟。
登山未経験者の(当時)大学生だった筆者と友人計3人は、その一言をきっかけに旅の計画を立て始めました。時期は春休みの3月中旬。目的は「屋久杉の森を歩くこと」と「縄文杉を見ること」の2つ。そのために飛行機とツアーを予約し、屋久島へと旅立ったのでした。
プロペラ機に揺られて屋久島へ到着!
屋久島といえば、原始的な自然が広がる森のイメージが強いと思います。縄文杉をはじめとして、ハイキングや登山が有名ですが、温泉や滝、美しい海岸なども楽しめる離島です。
また、そんな原生林の広がる屋久島ですが、意外にも昔から人と自然が深く関わってきた島でもあります。森林から切り出した木材を運び出す森林軌道が現在も残っており、今回の登山でもこのトロッコ道を辿ってゆきます。
島へは、大阪市の伊丹空港から直行便が出ています。まず驚いたのが、直行便の飛行機が小さなプロペラ機だったということ。初めて乗るプロペラ機はガタガタと揺れ、一風変わった旅の気分を盛り上げてくれます。
珍味の宝庫!? 初対面の生き物に仰天
到着してまず食べたのは、「飛び魚ラーメン」なるもの。実は、屋久島は飛び魚の漁獲量が1位なのです。島の東部にある安房港では、なんと年間1000tの水揚げ量を誇るそう。立派な羽をカラッと揚げて、ラーメンの具になっていました。運動能力が高いため、身も引き締まっていてとても美味でした。
変わった食べ物といえば、その日宿泊したホテルでは、夕食に「カメノテ」の酢漬けが出ました。
屋久島では人気の海産物だというのですが、見た目は文字通りカメの前足のようで、見た目で苦手な方もいるかもしれません。筆者はこういった珍味が大好きなので、抵抗なく食べてしまいました。
丑三つ時に起床して登山用具を準備
ホテルで夕食を食べたあと、ツアー参加客が集められました。明朝から始まる登山についての説明です。といっても、3月上旬の平日だったこともあり、そのホテルからの参加者は筆者と友人のグループのみ。島中のツアー参加者を明朝バスがホテルを回って乗せ、登山口まで連れて行ってくれるようです。
筆者たちが予約したツアーでは、説明を聞いたあと登山用道具の配布が始まりました。動きやすい格好をしなくてはならないので、上下揃いのウィンドブレーカーと、登山用の防水加工されたシューズ、そしてリュックまで配られました。
また、事前にどれを何着借りるか、靴のサイズはいくつかなど登録していました。
たとえば3人で参加する場合でも、1人は登山グッズがあるのでレンタルはしない、などの選択もできました。ツアーによっては、トレッキングポールの貸し出しも行っているようです。筆者はインドアながら、自分たちの体力を信じてポールは借りませんでした。