長野県の中西部、諏訪郡富士見町にある入笠山(にゅうかさやま)。南アルプスの北端にあたり、東に八ヶ岳、西には中央アルプス、北側は諏訪湖から北アルプスの峰々が一望できる絶景の山です。
2000m級でありながら、富士見パノラマリゾートのゴンドラで標高1780m地点まで行けるので、片道1時間半程度のハイクで山頂が踏める手軽さが魅力。ビギナーや体力に自信がない人でも登りやすい山です。
標高差730mを一気に登るゴンドラで山上エリアへ
ゴンドラに乗ると、約15分で山上駅まで運んでくれます。進行方向後ろ側を見ていると、目線がぐんぐん上がって、ダイナミックな山の景色が広がっていきます。
山上駅の駅舎を出ると、目の前に八ヶ岳の雄姿がバーンと広がります。標高1000mある山麓駅とは空気感が全くちがっていて、高い山に特有の広々とした視界に一気にテンションがあがります。
そして、スタート前のお約束が、富士見町の特産品である「ルバーブ」を使ったソフトクリーム。真っ赤な茎の高原野菜で、爽やかな酸味が特徴。アントシアニンをたっぷりと含んだヘルシーな野菜です。コクのあるバニラとのミックスがお気に入り。ココでしか味わえないオリジナル品に舌鼓を。
すっきりと開けた地形で、山麓との高度差が大きいこと、穏やかな風が吹くなど、パラグライダーの飛行に適した立地。インストラクターによるスクールも開校されていて、気軽に浮遊体験が楽しめるのだとか。ちょうどいい風が吹いたようで、テイクオフの瞬間に立ち会うことができました。
山頂駅周辺では秋の花々が可憐な競演
ゴンドラ山頂駅の周辺は高山植物が楽しめるお花畑になっていて、春から秋までいろんな花が咲き乱れます。10月中旬には、クリアな紫色が美しい「エゾリンドウ」の季節。
〝日本のエーデルワイス〟ヤマハハコも上品な白と繊細な花弁がとても可憐。
下界はまだまだ夏日の頃でも、標高が高い高原ではすっかり秋景色が広がっています。
なだらかなすり鉢状の地形が美しい入笠湿原は、春には一面にスズランが咲き乱れるのですが、秋は草紅葉となって、斜面がセピア色に染まって、落ち着いた美しさ。近くでよく見ると、エゾリンドウがあちこちに咲いています。
富士山も八ヶ岳も眺められる山頂へ
湿原を過ぎて、しばらく登ると本日のお宿、「ヒュッテ入笠(旧・マナスル山荘)」に到着。
看板犬のアジくんにご挨拶して、いらない荷物をデポさせてもらって山頂へ向かいます。ヒュッテから山頂までは、のんびり歩いても1時間かかりません。
広場上の山頂からは、360度の眺望。東側の八ヶ岳は距離が近いため、一つ一つの山頂がよくわかります。南八ヶ岳は赤岳を主峰とする鋭鋒揃いでカッコいいです。
南には甲斐駒ヶ岳の雄大な姿。晴れていると富士山も見えるはず、と思って眺めてみると。
富士山を包むように雲がまとわりついていて、その上にかさ雲がかかっています。まるで富士山が雲のマントをまとって、笠をかぶっているようで、なかなか珍しい光景でした。