五香粉(ごこうふん、ウーシャンフェン)は、八角、花椒、シナモン、クローブ、陳皮など5種類の香辛料がブレンドされた、中華圏ではおなじみのミックススパイス。台湾の街を歩けば、旅情を誘う五香粉の香りがあちこちから漂ってきます。今回は、五香粉を使って簡単に作れる台湾グルメをご紹介します。
小腹が空いたときにぴったりな台湾風煮玉子【茶葉蛋】
台湾では軽食として広く食べられている「茶葉蛋(チャーイエダン)」。旅行で訪れたことがある方なら、「コンビニやキオスクに入店したときのあの香りの正体」と言えば伝わるでしょうか。
ゆで卵を烏龍茶やプーアル茶、紅茶などの茶葉と、醤油、砂糖、五香粉といっしょに煮込んだ一品で、タンパク質が豊富ということもあり、運動のあとに食べる人も多いのだとか。
調理時のポイントは、ゆで卵の殻にひびを入れること。これにより、味が染み込みやすくなります。
弱火で30分ほど煮込んだら、粗熱をとってそのあとに冷蔵庫へ。24時間以上置いたら完成です。
五香粉のエスニックな味がふわっと口の中に広がります。ほんのり香るお茶の風味のおかげでしょうか。さっぱりとした味わいで、そのままで何個でも食べられそうです。なお、台湾では3日間ほど漬けておいたものが一般的だとか。より本場のフレーバーに近づけたい方は、長めに漬けてみて下さいね。
甘辛く煮込んだ豚肉をたっぷり乗せた定番メニュー【魯肉飯】
台湾の屋台や食堂でよく見かける「魯肉飯(ルーローハン)」は、日本でもレトルトの商品が販売されるなど、人気がありますよね。
濃厚な脂の旨味が魅力の豚バラ肉を使って作られることが多いですが、台湾ではお店や家庭によって使用する豚肉の部位もさまざま。今回は、コクがありながらもさっぱりとした味わいが魅力の豚肩ロースかたまり肉を使うことにします。
まずはフライパンにごま油、しょうが、にんにく、五香粉を加えて炒めます。香りが立ったところで、細切りにした豚肉を投入。
焼き色がつくまで炒めたら、水とオイスターソース、中華スープの素を入れて弱火で煮込むこと30分。ご飯の上にたっぷりかけましょう。ほかに青菜とゆで卵を乗せれば完成です。せっかくなので、前述の「茶葉蛋」を乗せました。
簡単に作れるのに、台湾っぽい味に仕上がっていて大満足です。五香粉のおかげでしょうか。炒める際、最初から大量に五香粉を入れると味の調整が難しくなるので、控えめに使って、足りないようならあとから追加でかけるのがよさそうです。