靴に入り込むこともあるオオムカデ類
グロテスクな生物の代表格といった感じのムカデ。日本に100種類以上いますが、気を付けたいのはそのなかのオオムカデ類です。成虫で体長10cm以上にもなる大型のムカデで、トビズムカデ、アオズムカデ、アカズムカデなどが、これにあたります。
「身近にいて出会いやすい危険生物の一つにオオムカデがいます。朽ち木や石の下など、湿度や温度が高く、暗くて狭い場所を好みます。庭のプランターの裏にいたり、里山などの自然が多いところでは、民家の布団や脱衣所に入ってきたりすることもあります」(西海さん)
キャンプ場ではテントに侵入することがあるほか、靴の中に入り込み、履いたら咬まれた、ということが多いそう。外に脱いでおいた靴は、履く前に必ず中を確認したいものです。
咬まれると激しい痛みを感じ、患部が赤く腫れます。ムカデの毒もタンパク毒ですが、応急処置として何をするのが一番いいかは、医学的なデータが完全に揃っておらず、明確にはわかっていないとのこと。
「よくいわれるのは、まずお湯で傷口を洗う、ということです。お湯がなければ水で洗い、抗ヒスタミン軟膏を塗ってください。お湯で温めるのはあくまで最初だけ。咬まれてからしばらく経つと結構腫れてくるので、その場合は冷やしてください」(西海さん)
痛みは数時間で治まる傾向にありますが、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあるので、慎重に経過観察をすべきとのこと。少ないですが死亡例もあるそうなので、咬まれたときは決して油断しないようにしましょう。
【取材協力】
■一般社団法人セルズ環境教育デザイン研究所