暑い夏が過ぎ秋が訪れて、外に出かけるのが気持ちの良い季節になりました。
公園や野山では秋の花が見られ、ぜひその姿を写真に収めたいという方も多いのではないでしょうか。ミラーレス一眼(及び一眼レフ)で植物はどうやって撮影するといいのか、さまざまなパターンで撮った写真を見ていきましょう。
あえて下から撮ってみる
見頃を迎えた花を撮るのになぜ下から!? と思うかもしれません。これは背景を空だけにしたいから。美しい自然を撮影したいのに、背景に建物などの人工物が入ってしまっては台無しです。
空に向かってたくましく伸びる姿は、ストーリー性を感じられるという点でもおすすめのアングルです。16mmの広角レンズを使用したことで、迫力のある1枚になりました。
逆光で撮るのも面白い
「逆光で撮ってはいけない」と思い込んではいませんか。
写真を撮り慣れて光を意識するようになると、つい逆光を避けてしまいがちですが、必ずしもダメというわけではありません。
たとえばこの写真。葉の裏に太陽が来るように位置を調整して撮影しました。そうすることで葉脈がハッキリと見えて、植物のいきいきとした様子が感じられると思います。
よく見ると、下の葉には蜘蛛のシルエットが写っています。こちらも、蜘蛛そのものを撮るよりも、雰囲気のある写真になるので、ぜひ試してみて下さい。
望遠レンズを使用する
一面に広がる花に見とれて、思わずシャッターを切ったものの……。実際に撮影したものを見返してみたら、なぜかイマイチ。そんな経験はありませんか。
改めて写真を見てみると、たくさんの花が咲いているのを伝えたくてそのまま撮った、というものが多いように思います。たとえばこんな写真ですね。
小さな花が点々と写っていて、確かにたくさんあるのはわかるけれど、なにか物足りないという印象を受けます。なお、これは70mmの望遠レンズを使用しています。
それでは、300mmで撮るとどうでしょうか。
300mmだとしっかり寄れるので、花そのものの姿だけでなく、後ろのほうにも咲いていることが伝わると思います。ポイントは、背景になる花がたくさん入れられる角度を見つけること。いろいろな角度から眺めて、いい位置を見つけましょう。
マクロレンズで撮ってみよう
植物を撮るのにもっとも適しているのがマクロレンズです。
マクロレンズとは、接写ができるレンズのこと。一般的なレンズだと、被写体に近寄ろうとしても限界があります。細部まで写し込むのが難しいため、「もっと細かい部分を撮りたかったのに……」と残念に思ったことはありませんか。これも、マクロレンズを使えば解決できるのです。
こちらは100mmのマクロレンズで撮ったコスモスです。おしべまではっきりと写っていますね。
この写真を拡大してみましょう。花粉や花びらの細かなところまでもが写っているのがわかるでしょうか。
肉眼ではわからないような細部までもとらえることができるマクロレンズ。植物の小宇宙といった豊かな世界に少しだけ触れられたような気にさせられます。