趣味に、フィットネスに、高い人気を誇っている自転車。そろそろ自分もサイクリングを始めてみたいけれど、どんな自転車を選べばいいのか、ちゃんと乗りこなせるのだろうか、などさまざまな疑問や不安を持っていることでしょう。
そこで、初心者のそういった心配を一掃するため、「サイクリングを楽しむための基本のキ」シリーズをお届け。サイクルライフアドバイザーの山口貴司さんに、自転車の基本から楽しみ方までを教えていただきます。第1回は「失敗しない自転車の選び方」です。
初心者が選ぶならクロスバイクかロードバイク
自転車にはいろいろなタイプがあります。日常的に使いやすいシティサイクル、坂道なども走りやすい人気の電動アシスト自転車、持ち運びも手軽な折り畳み式、タイヤ径の小さなミニベロなどなど、目的に合わせて選べるのが自転車の楽しいところです。
では、「サイクリングを楽しむ」という観点で考えると、どんなタイプが適しているのでしょうか。山口さんによれば、「クロスバイク、またはロードバイクが、初心者にとってのファーストチョイスになると思います」とのこと。両者とも似たようなイメージがありますが、けっこう違いがあります。
「気軽に始めるなら、クロスバイクがおすすめです。でも、本格的に走りを楽しみたいなら、はじめからロードバイクを選ぶ手もあります」(山口さん)
街乗りにも扱いやすいクロスバイク
クロスバイクはハンドルがフラットで、街乗りや通勤、通学といった日常ユースにも対応でき、スポーツ性も兼ね備えているタイプです。「初心者でも乗りやすくて扱いやすいのが一番のメリットと言えます」(山口さん)
価格的にも10万円以下のものが多いため、初めての一台として手を出しやすそうですね。だからといって性能面や機能面で劣っていることはなく、ロードバイクで採用されるようなパーツを装備するなど、細部にこだわっているモデルも少なくありません。見た目にオシャレなモデルも多く、気軽なサイクリングにおすすめです。
だんだんロードバイクが欲しくなってくる
一方のロードバイクは、舗装路を走ることを想定した、より走行性能にこだわったスポーツタイプです。ドロップハンドルを採用していて、長距離走行にも適しています。フレームや各種パーツも軽量かつ強度も高く作られているのが特徴です。
「実はサイクリングを始めると、もっと速く走れるようになりたいとか、遠くに行きたいと思うようになって、ロードバイクが欲しくなってくるのです」と山口さん。なるほど、だから、はじめからロードバイクを買うことも選択肢の一つなのですね。
価格的には、クロスバイクに比べると少し高めで、エントリー向けなら10万円台がメインゾーンです。クロスバイクのような日常ユースができるのかどうか気になりますが、「最近は、太めのタイヤを採用するモデルも増えていますので、そういったタイプを選べば、普段使いでも快適に乗れると思います」(山口さん)
日常ユースにもこだわりながら、スポーツ性能も求めるならクロスバイク。それなりに気合を入れてサイクリングに臨んで、いろいろとステップアップしていきたいならロードバイク。ここが、初心者にとってのスタート地点といえそうです。